この牛スジの販売メモの欄には「ブイヨン用の牛スジです。煮物用のスジとしては適しておりません――」と説明があります。

そこで、性格の素直な私は（笑）　まずブイヨンを取りました。１ｋｇまるごと。

■ブイヨン■　

牛スジ肉　１ｋｇ／水　４リットル／セロリ　１本／玉ねぎ（大）１個／にんじん　１本（もしくは皮の部分を２本ぶん）／ローリエ　１枚

（１）まず牛すじ肉は、解凍し、軽く水洗いしてドリップを流し去ります。大なべに３リットルほどの湯を沸かし、沸騰したら、牛すじ肉を入れて、表面が白くなるまで茹で、ざるにあげます＝茹でこぼし。

（２）大なべに、水４リットルと牛すじ肉を入れて、強火にかけます。沸騰した後も、しばらく火は強めのまま、浮いてくる大きなアクを丁寧に取ります。

（３）アクがだいたい収まったら、野菜を全ていれ、ここからは弱火で１時間半～２時間ほどゆっくり煮ます。フタはしません。時々鍋を見て、細かいアクがあれば、取り去ります。

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はい、万能に使えるブイヨンがたっぷりと出来上がりました。　

ここからが思案のしどころです。

グルメミートさんの説明書きには「ブイヨン用です」とは書いてあっても「牛スジ肉そのものは料理には適しません」とは書いてありません（当たり前ですが）　つまり、グルメミートさんは「”訳あり”ですから、色んなタイプの部位が入ることもありますよ。だからご自分の判断でご利用くださいね」と言っておられるわけです。

そこで、私の判断で、－－３通りに使いました。

１日め　■　牛スジと夏野菜のカレー

にんにく、しょうが、クミンシードを油で炒め、玉ねぎ、じゃがいも、オクラ、ニンジン、トマト（水煮でもOK）を加えて炒めたら、さきほどの鍋から、ブイヨンと、牛スジを３００ｇほどみつくろって入れ、インドスパイス各種もしくはカレーパウダー（カレールーでもOK）を入れて、じゃがいもが煮崩れるくらいまで３０分ほど煮込んで出来上がり。

　＊ブイヨンのコクと滑らかさ、じゃがいもとオクラのとろみ、牛スジ肉が加わって、とても夏らしいカレーの出来上がりです。ナスやズッキーニ、コーンなど他の夏野菜を加えても楽しいと思います。

２日め　■　韓国冷麺風　冷やしうどん　牛スジブイヨンのスープで

翌朝、鍋の中でブイヨンの脂が冷え固まっているのを取り去り、いったん加熱して、冷ましてから、ブイヨンと牛すじ肉とに完全にわけて保存します。ブイヨン作りの際に加えた香味野菜は、ここでさようならです。

（１）牛スジのブイヨンのみを４００ｃｃほど、ザルなどで濾してボウルに入れ、コチュジャン大さじ１杯、醤油大さじ２杯、酢大さじ２杯、砂糖少々、しょうが汁少々、レモン汁少々（あれば）　を加えて混ぜます。味見して、好みの味に調整して、空きペットボトルなどに詰めて、冷蔵庫でしっかり冷やします。

（２）牛スジ肉は１５０ｇほど取り出し、包丁で叩き広げるようにして、コチュジャンと醤油、みりん、ゴマ油ちょっぴり　で調味します。

（３）　うどんを茹でて水に取って冷まし、器に入れて、牛スジ肉、キュウリ、リンゴ（ナシなども）、ネギ、茹で卵をトッピングします。冷やしておいたスープを掛け回し、あれば白ゴマと糸唐辛子などでアレンジして出来上がり。氷を１～２かけ添えるとなお涼しい。

　＊今回はうどんにしましたが、もちろん韓国麺でも何でもお好みで。スープは冷やす時間が長いと煮こごって「ペットボトルから出てこなーい」と焦るかもしれませんが、これぞ牛スジ肉できっちり取ったスープの醍醐味。このコクは市販スープでは得られません。

３日め　■　牛すじブイヨンで火鍋

夫も私も大好きなグルメミートさんの「火鍋の素」、普段はキャベツや玉ねぎなど野菜だけで取った簡単なダシに「火鍋の素」を入れて作るのですが、今回は牛スジブイヨンで野菜を煮て仕上げました。

「火鍋の素」には、ポークエキスやチキンエキスなど旨み素材もたっぷり入ってはいますが、牛スジブイヨンが加わったトリプルベースの火鍋は、格段に美味しかったです。夫も「いつもとはっきり違う、口当たりが滑らかで味が深い気がする」　〆にラーメンを入れて、スープごと完食です。

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他にも・・・このブイヨン＆牛すじ肉で朝ごはん用のテンジャンチゲ（韓国風味噌鍋）も作りました。

１ｋｇの牛スジ肉でブイヨンを作っておけば、夫婦２人で３日間は優に楽しめます。

繰り返しになりますが、牛スジ肉そのものをどう使うかは、自分の判断次第。確かに食べづらい部位も入っているかもしれません。　個人的には、茹でこぼした時点では「大丈夫かしら、この固そうな感じ」と思っても、１時間ほど煮た時点で、ストンと柔らかくなることがほとんどでしたが…

価格も説明も非常に良心的なこの牛スジ肉、またぜひ料理したいと思います。