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赤坂Fondフォンさんでのプレディカドールのマリアージュ具合の評価はいかに?

2ヶ月に1回ほど定期的に行われる赤坂Fondフォンさんの仲間内食事会に今回も行ってきました。
 
1)マコガレイのカルパッチョとタラの芽ミョウガ添え
カレイはもともとヒラメより高価で美味しい魚とシェフ、なるほど1kg12000円のマコガレイは噛みしめるほどに味わいが豊か、しかし身はしまっていて口の中で跳ね返ってくるような弾力があるけど決してコリコリはしていない。これぞ肉!と言う感じです!

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オリーブオイルに粗塩を振っただけのシンプルさがまた肉の味わいを引き立てます。付け合わせのタラの芽とミョウガが季節を感じさせますね。
プレディカドール・ブランコと良く合いました。


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2)蝦夷アワビと山ウド
蝦夷アワビの厚切り、火が通しすぎずに弾力あるアワビから品の良い味わいが噛みしめる程に出てきます。

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これはプレディカドールの白の守備範囲内ですが、ベストマッチとまではいかなかったようです。口の中でほんの少しだけ酸味が出てくるようです。
しかしながらアワビの肝とは白が良く合いますし、山ウドとも白が良く合うようです。山ウドのシャキシャキ感も美味しく感じますね。


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3)大間産の紫ウニと青柳(貝)
大間産のムラサキウニは、深いところに住んでいもの。根昆布を食べているために味わいが濃いのが特徴。
青柳は鮮度と処理が味の決め手とのこと。
塩水で良く洗ってぬめりをとったら、湯煎で熱を入れますが、入れすぎないで微妙な熱加減が必要とか。赤坂Fond(フォン)さんの話では、お湯の中に手を入れてゆっくりと青柳をやさしく揉みながらかき回していって(相当熱い!)ここぞ!というときの熱の入りで上げるんだそうです。
ウニは白ではなくやはり赤です。プレディカドール・ティント(赤)と良く合います。一緒に飲んだボルドー(赤)にも合うようでした。



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4)稚鮎とカタクリの花
稚鮎は天ぷらなどでよく食べられますが、今回は網焼きです。稚鮎の天ぷらは稚鮎がフワッと揚がってそれなりに美味しいのですが特徴を出すとすれば網焼きだと思います。網焼きは鮎の香りと味わいが凝縮して前面に出てきますので鮎好きな人は楽しめると思います。
稚鮎のしっかりと凝縮した香りと上品な味わいにはプレディカドール・ブランコが合いました。
※ここまでで一つコメントをしておきたいことは、へたすると魚にワインは生臭さが出てしまうところではありますが、プレディカドール・ブランコはまったくそういうことはありませんでした。一つだけ魚介関係でのポイントは合わせづらい魚介にはオリーブオイルをプラスするということです。オリーブオイルが文字通りワインと魚介の橋渡しになり生臭い臭いを防いでくれる役目をしてくれますので。



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5)3倍値段のカツオと行者ニンニク
Fondフォンのシェフはカツオも築地の仲卸さんから購入しますが、この築地の仲卸さんが名物仲卸さんです。
カツオには滅法うるさく、自分の気に入らないカツオは捨ててしまうとか、、、。捨ててしまうカツオも悪いはずはなく、通常のお店で販売しているカツオよりむしろ上質のようです。しかしながら捨てずに残った、いわば店主のお眼鏡にかなったカツオは本マグロか?カツオか?とも言うべきもので、味わい豊か、そして価格はびっくりするほどつり上がり通常の3倍の価格で飲食店に卸すのだそうです。
それでもずっとこの商売を続けられるところが、東京近辺の飲食店の立派な懐の深さとも言うべき所でしょうか。1尾1万円以上のカツオは素晴らしい味わいでした!(前置きは長くなりましたが、、、)切り身の美しさはマグロをしのぎ、味の濃さなども本マグロの赤身をしのぐと思います。
カツオにはニンニクが美味いですが、行者ニンニクで強すぎず、ニンニクより香りが高くうってつけに良く合いますね。
ワインはボルドーの赤が合いました。厳密に言いますと口の中にカツオが入っていた時にはボルドー(赤ワイン)が合いました。しかしながら口からカツオが抜けた状態ではプレディカドール・ティント(赤ワイン)のほうが抜群の相性の良さがあります。この辺は不思議というか奥深いところですね。


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6)フランス産フォアグラカナールとタケノコ
フランス産のフォアグラカナールは冷凍のものを解凍して使用しますが、シェフいわく、最近は現地の冷凍技術も進んでいるのでチルドよりも冷凍物のほうが品質が高い物が多いとのこと。チルドは現地工場で冷却する際にも劣化が始まってしまう場合があるとは、季節や現地の工場の温度などから検討すると僕も深く納得しました。フォアグラとタケノコの組み合わせは意外と合う、フォアグラの脂の甘い香りとタケノコの香ばしい香りの相乗作用とでもいいましょうか、良い感じです。肝心のワインは、これは色からいっても白ワインっぽいです。実際にはプレディカドール・ブランコが良く合いました。



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7)仔牛のヒレ肉ソテー、モリーユ茸と川エビとタラの芽添え
ホワイトヴィールの仔牛のソテーにしっかりしたフォンドボーベースのソースとモリーユ茸と川海老を使ったソース!で頂きました。川海老は釧路産の川海老でしっかりしたコクと旨味をソースに与えてました。
またステーキは最初ヒレ肉とわからなかったのですがそれは、ヒレ肉が肉の細胞繊維に縦にカットされたものでステーキになってます。(通常は輪切りのような厚切りのステーキですよね。)

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※うっすらと縦に線が入っていますが、肉の線維に平行にカットすることで肉汁が閉じ込められますね。

シェフになぜ縦切り?と聞いたところ、その方が美味しいから、、、との答え。僕も全くそう思います。ヒレ肉のようなデリケートな肉の線維は肉繊維を直角にカットして肉汁を出してしまうより、縦にカットしてなるべく繊維を短くしないで長くとって熱を入れていった方が肉汁を閉じ込めやすいのです。
これって召し上がる場合に我々食べ手も最後までその調理法に応えて食べることで一段と美味しくなります。
それは、最後まで繊維を直角にカットしないで肉の線維に対して平行にナイフをいれて口に入れることです。そうすることによって少なくともカットされるまでは肉汁をずっと肉繊維の中に封じ込めることが出来、口の中で噛みしめた際にジュワっと口中ではじけてきますから。
そして濃厚なソースを吸ったステーキをほおばります。海老のコクって意外と肉のソースに合うんですね。ちょうどXO醤のようなコクでフレンチ風とでも申しましょうか、まろやかでコクが最大限で美味しく頂きました。
シェフ曰く、仔牛肉って意外とめんどうな肉。普通の牛肉とは全く違うし、かといって色はそこそこ似ているけど豚肉とも違う。(この辺の感覚がこのシェフの凄いところだと感じます。それと肉の細胞繊維に平行にステーキを出すところなどもです)
食べながら連想していますと、このソースで牛肉では牛肉が勝ってしまって合わないだろうし、豚肉では豚の粗野な味わいにやはりソースが合わないだろうな、、、とか感じました。
で、もってこのソースにあうワインは?というところですが、色合い的には白が合いそうなのですが、フォンドボーソースに川海老が入って1本スッと筋が通ったように赤ワイン・プレディカドール・ティントが合いました。川海老が入ってプレディカドール・ティントが合ったのでしょうか?でもこのへんも奥深い所ですね。

今回は、主に2種類のワイン
を開けてここまでの食事をしましたが、たいていこの2種類のワインでお料理はカバー出来そうな感じがしたと言ったら言い過ぎでしょうか。。。


※赤坂Fondフォンの西村シェフによると、「自分のところで出す料理とワインは表裏一体というか切っても切り離せないもの。
お客さんに満足してもらうためには料理とワインの相性は非常に大切。それはどちらのバランスが欠けてもお客さんの満足感につながらないから神経を使う。
たとえうちで良い料理をだしてもワインのセレクション次第では、お客さんの不満足につながってしまうし、最悪このレストランは不味かった、良くなかったと感じてしまうお客さんがいると思っていて間違いない。
従って、合わせるワイン(薦めるワイン)にはかなり神経を使う。
以上のようなことを例えばフランスワインの妥当なところでやってしまうとかなり高価になってしまいお客さんにそれを負担してもらわなければならないし、予算内でやるとすると料理に原価をかけられなくなってしまう。
スペインのベンハミン・ロメオのワインを使ってみて思うことはこの価格でこんなに守備範囲の広いワインはめったにないし、第一美味しい。
性質はフランスワインとは若干違うものの、じっくりと使い込んでいってお客さんにすすめることでうちの料理とのバランスも優れているし、第一、お料理との守備範囲が広いワインとしてお客さんに満足してもらうことがかなり出来るワインになると思う。
ヴィンテージによって違いがあることはあるが、程よく寝かせることでワインの奥行きが深くなり複雑になってくれるので益々許容範囲の広いワインになることに違いない。」

とのこと。なるほどと思うと同時にそこまで考えるのがこのお店の奥行きの深いところですね。
実際にこのお店は、完全予約制のお店で1日一組しか取らないことで名が知れており有名人なども通っているようです。
シェフの食材とワインに対する目利きや研ぎ澄まされた感覚が合わさって料理に独特の価値観を出しているんだと思います。またFondのマダムにおいてもそれは同様です。お二人の息の合ったおもてなしと語りもこのお店の大きな価値だと思われます。




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