carmen
© 2014 Staff. All rights reserved.

眠れる森の美女『古城のカーヴから目覚めたワイン』

スペインには、多くの古城がある。それらは現在、パラドール(国営ホテル)として、歴史と趣ある豪華宿泊施設に様変わりしていたり、観光スポットとして眉唾アミューズメント施設になっていたり、あるいはイスラムの若者に恋をしたキリスト教徒のお姫さまが幽閉され亡くなった場所という、暑さを吹き飛ばす伝説の残るお城もあるが、維持費が払えず、また居住者もおらずそのまま廃墟と化している所も多いようだ。

コンタドールのワイナリーがあるサン・ビセンテ・デ・ラ・ソンシエラ村にも1170年代に建てられた古城があり、コンタドール醸造家ベンハミン・ロメオはこのお城の時計台真下にあるクエバ(カーヴ)を1995年に購入し、翌年からここでワインの熟成をスタートさせた。

さて、こうも暑い日が続くと、冬の寒さが懐かしくなる瞬間があり、涼し気な写真を探しながら過去のデータを遡っていると、2013年2月にコンタドールのサイトにアップされていた“冬のお仕事”という記事が目に止まった。

1年の中で一番寒い季節、ブドウ園とワイナリーの間には、剪定、ワインの移し替え、施肥(特定の年に、有機素材のみで)などの仕事があり、忙しさは続きます。1月には、樹の生育の制限と通風の確保、そして将来房が実ったときの太陽の向きなどを考え、剪定を行いました。また1月の下弦の月には、サンビセンテ城の真下のクエバ(カーヴ)内のオーク樽で眠るグラン・レセルバ“カルメン・イレラ”」の、樽底の沈殿物を浄化するための移し替え作業をしました。また、今年は2月の下弦の月に、アンドレス・ロメオの畑に施肥をしました。使用したのは、羊の堆肥の他、ボデガ・コンタドールの専任ブドウ栽培者らが加工した有機素材です。

カルメン グラン・レセルバ2007
スペイン リオハ BODEGA  CONTADOR
テンプラニーリョ82%、ガルナッチャ10%、グラシアーノ4%、マスエロ4%

こちらの姫(カルメン)は、古城真下のカーヴで幽閉されていたのではなく熟成にとって最高の環境で静かに眠っていたわけで、その美女を冬の眠りから覚ませたということだ。ワインは眠り、ブドウ栽培者は一年中休まない…冬のお仕事の成果で生まれたこのワインを、中世の歴史を想像しながら、ゆっくり味わってみると、またひと味違った趣があるのかもしれない。

羊の堆肥を施肥


ワインの移し替え

サン・ビセンテ・デ・ラ・ソンシエラ村の、古城真下のクエバ(カーヴ)内、オーク樽で眠るグラン・レセルバ“カルメン・イレラ”を、ステンレス鋼の小さなデポジットに流し込み、ワイナリーへ移動させます。

ベンハミン・ロメオの母が結婚した時の写真をモチーフに、彼女が裁縫の先生だったため、周囲をピンキングはさみのような体裁でカット。母の名はもちろんカルメン!また、よく見ると小さなカタツムリが文字を引っ張っていますが、カタツムリは彼女のあだ名だったそう。細部に母への愛を感じるエチケットです。

by Mayumi