Q:ハモンイベリコとハモンセラーノの違いって何?
A:ハモンイベリコはイベリコ豚の後ろ脚の生ハムのことを言います。 ハモンセラーノは白豚の後ろ脚の生ハムのことを言います。ハモンデトレベレスとはハモンセラーノの中のブランド名です。長期熟成に向く豚は一般的に白豚系よりもイベリコ豚のほうが向くようです。 30ヶ月以上のハモンイベリコ等があるのはそのためです。
Q:ハモンセラーノ・アウマードはスモークがかかっていますが、どのような行程でしょうか?通常スモークは仕上げに風味づけを行うようですがこの生ハムはどうでしょうか?
A:この生ハムのアウマード(燻し)はカサルバの技法の一つです。スモークのアロマだけを残して上品に仕上げたいために、熟成期間の途中でスモークをかけます。1年熟成したところで50日間薄くスモークをかけ続け、その後約10ヶ月近くかけて余計な煙臭さをとばしていきます。
Q:ハモンデトレベレスの20ヵ月熟成と23ヵ月熟成は、3ヵ月しか違いませんがどこがどのように違いますか?
A:先ず原料からいいますと、20ヶ月よりも23ヶ月のほうが大きな脂ののった後ろ脚を使います。理由としては脂ののった大きい豚の脚のほうが肉質が良く脂肪も厚いため乾きすぎず熟成に耐えられるからです。とは言いましても20ヶ月のハモンデトレベレスも肉質は良い物を吟味していますし通常のハモンセラーノより品質的にはより上のものです。あえて20ヶ月と23ヶ月を比べた場合には20ヶ月は歩留まり重視、23ヶ月は肉質重視の生ハムといえるかもしれません。
Q:生ハムを仕込む時に20ヵ月と23ヵ月で最初から分別されて仕込むのでしょうか?それとも20ヵ月経った時に状態がよければあと3か月熟成延長するのでしょうか?
A:いいえ、最初から重量と大きさによって20ヶ月と23ヶ月を分別し、塩漬けから仕込んでいきます。
Q:ハモンイベリコのセボって何でしょうか?ベジョータとの違いは何ですか?
A:カサルバのセボは詳しくはセボデカンポと言いまして放牧(カンポ)をしているセボですが、ドングリは食べておりません。ベジョータは十分なドングリを食べたもので、オレイン酸の含有量や重量はスペイン政府により管理されております。ハモンイベリコの味わいとしては、ベジョータの方が香ばしいコクがあります。セボはあっさりとして食べやすいともいえます。
Q:骨付きの原木は、どの部分から切っていくのがよいのでしょうか?
A:通常は赤身のところが乾きやすいですので、蹄の甲側(バビージャ)からカットしていきます。
Q:冷蔵庫に入れたほうがよいでしょうか?常温で置いておいても大丈夫でしょうか?
A:基本的に常温で大丈夫です。入梅や真夏にはなるべく涼しい湿気がない所に置いて下さい。直射日光のあたる所は避けた方が良いでしょう。また、冷蔵庫に入れたり出したりしてしまいますと、生ハムが湿気を帯びてカビが生えやすくなってしまいますので注意が必要です。1週間以上カットしない場合には、生ハムの切り口にオリーブオイル等を塗り乾かし気味にし軽く布をかけるようにします。ハモンをカットする前に気をつけたいことや、保存方法はお買い求めの際に同封されます「生ハム手引き書」でご覧いただけます。
Q:骨付原木1本で何人前のスライスがとれるのでしょうか?また、通常1人前は何グラムが妥当なのでしょうか?
A:ハモンイベリコの場合ですが、1人前約35gの計算ですと1本の骨付き原木からおよそ140人前がとれるかと思います。また、1人前提供の少ない店舗様ですと、20gから出しているところが多いようです。皿にのせる量は1人前の単価にもよると思われますので何ともいえませんが、ハモンセラーノは1人前40g前後のところが多いようです。
Q:生ハムに使う豚の飼育期間はどのぐらいですか?日本でも生ハムは出来るのではないでしょうか?
A: メーカーによっても多少違いがありますが、原料の豚の飼育期間はイベリコ豚で14~16ヶ月、ハモンセラーノ用の白豚で8ヶ月以上のものを使います。日本の豚は約5ヵ月(150日)程の肥育ですから、長期熟成の生ハムにあまり適してないことになります。また、日本は 湿気が多く、美味しい生ハムを作る気候に合った地方が少ないともいえますし、寒暖の差が大きいところとなりますと、かなり限定されるのではないでしょうか。
Q:熟成期間が違うと何がどのように違うのでしょうか?
A:熟成期間が違いますと味の深みが違います。長期熟成した生ハムのほうがより香り味わいともに深みが増しているといえます。また保存をする際には、長期熟成の生ハムの方が発酵がより安定している為に持ちが良くなります。
Q:骨付き生ハムのカットは難しいのでしょうか?どのようなナイフですと上手に切れるのでしょうか?
A:調理人の方でしたら専用のナイフがあれば骨付き原木の半分ぐらいカットすれば慣れてしまうと思われます。ナイフはシナリ感のある刃渡りの長い薄い刃のものが切りやすく、ブレッドナイフのようなギザ刃のものでも代用ができます。カットの仕方の詳細は弊社作成の「生ハム小冊子」に書いてありますのでご希望の際はお申し付けください。
Q:ハモンイベリコベジョータの生ハム産地は何処が良いの?
A:良く聞かれるご質問です。イベリコ豚の産地がハヴーゴとかエストレマデューラなのでそこの生ハムが一番良いと思っている方もいらっしゃいます。下記におおまかの特徴をまとめてみました。
【ハヴーゴ・エストレマデューラなどの比較的温かい地域で仕込んでいるイベリコ生ハムの特徴】
温かいところなので塩は一般的に強く早く熟成が完了するために短期熟成でパンチがある味わいです。
【ギフエロ地域などのイベリコ豚生ハム】
標高も高いのでわりと薄味の生ハムが仕込めます。メーカーによっては長期熟成のコクのある生ハムもあります。
【ブルゴスの山中などのスペインでも寒い地域のイベリコ豚生ハム】
緯度、標高どちらも高いので寒く薄塩で仕込むことが出来き長期熟成型の生ハムが多いです。ハブーゴに比べてパンチ力は少ないですが、薄味で長期熟成のコクとしっとり感があります。パンチを出すためには使う前に温かいところで1ヶ月ぐらい馴染ませて香りだしをして使うとまったく違った生ハムになります。
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