このマトンのヒレ肉は、締まった肉質でキメが細かく、脂肪がほとんどないヘルシーなお肉です。普通に調理して頂くことも考えましたが、スモークしてジャーキー風にしても美味しいかと思い、試してみることにしました。ジャーキーといっても、保存用ではなく、あくまでもおつまみとしてすぐ頂くための簡単時短レシピです。

マトンヒレ肉のスモークジャーキー

1. 解凍したお肉は縦の長さを半分にしてからケバブ用スパイスと塩を刷り込み、網の上において乾燥させつつ室温にする。
2. 表面が軽く乾いたら、中華鍋で20分ほどスモークする(熱燻)
3. 粗熱が取れたら、繊維に沿って縦方向にスライスしていただく。
4. 好みで、スパイスを振っても良い。

感想：

ジャーキーに適したお肉は脂肪が少なく、柔らかいことかなと思います。燻していくときにどうしても水分が抜けて硬くなっていくので、元が柔らかいお肉の方が食べやすいのです。肉の旨味を保つよう繊維に沿った方向にカットするため、この条件が必要です。また脂肪があると舌の上でざらつくので、赤身のお肉を選びます。

肉自体の味わいも大切で、しっかりと濃い味のお肉の方が香辛料に負けず肉本来の旨味が残って楽しめます。普通に焼く時には気になるような肉が持つちょっとした癖も、スパイスや燻香と合わさると素敵な個性に変わります。

こうした条件を踏まえると、マトンのヒレって実はとてもジャーキーに向いているのだなと今回感じました。豚肉よりも細めで小さい塊なので素人にも扱いやすく、丸ごと燻製にしてもそれほど時間がかかりません。

燻製後、頂くときに手で割くことも簡単でした。

表面は固くなっていましたが、丸ごと調理のおかげか中心部は程よくジューシーで適度な弾力でした。しっかりと肉の味も感じられ、表面にまぶしたスパイスの刺激ともよく合います。おつまみとしてちょうど良い食べやすさで、今回2本分を仕込んだのですがすぐに無くなってしまいました。