アルバラシンチーズこだわり
その2・チーズ作り

アルバラシンチーズを製造しているケセリア社のチーズ工房は、小さくてこじんまりしていますが、いつも清潔で最新鋭の機械が導入されています。

上記 写真の右側がミルクを入れるタンクですが、この工房は1日にこのタンク1つしかチーズを作りません。 それは自社で生産しているミルクがこのタンク1つ分(2000リッター)であり、これ以上の量の生産は自社で全てをまかなえないため、質の高いチーズ作りを維持することができないと考えるからです。羊の飼料作りから羊の飼育もミルク作り、そしてチーズ作りも全て自社内でやっているからです。

68度から70度に30秒温められたミルクがタンクに入ってきます。 30℃に落ち着いたところで、「天然の乳酸菌」を入れます。 そうすると少しずつミルクが目を覚ましてきます。

次に32度で30分落ち着けた後に天然のレンネットを入れます。 2分ほどかくはんをして35分間落ち着けます。そうすると 少しずつ固まってきます。

このように固まってきたところで、ミルクの温度を3℃から4℃上げてながら、固まったカード(チーズのもとになるもの)をカットしていきます。

だんだんとカードが細かくなっていきます。 どのくらいにカットするかによって、その後のチーズの熟成に影響してくる大切な作業です。

カードです。豆腐のような感じで、これを搾るとフレッシュチーズになります。ナチュラルチーズは、このカードを搾って熟成をかけてタンパク質から旨味成分のアミノ酸を引き出していきます。

ミルクは凝固をすると、カードとホエーに分かれます。写真はホエーを飲むところです。 ミルキーな香りがして、ほんのり甘くて美味しいです。

これがカードです。豆腐のような食感で、クセが無くミルキーな味わいがします。

通常はこのようにタンクからカードを搾ってホエーを抜き、型に入ります。

次に、しっかりとカードを搾るためにガーゼのような布でくるんでいきます。

さらにカードをプレスします。2時間以上かけて優しくゆっくりと搾っていきます。 1個のチーズを作るのに20リットル以上のミルクが必要です。

アルバラシンの美味しい天然の地下水に、海塩を混ぜた塩水に22時間ほど塩漬けします。

その後冷蔵庫でじっくりと熟成をかけていきます。 ミルクの質が非常に高いアルバラシンチーズの特徴の一つとして、3年以上の熟成をかけても羊のチーズ特有の酸化の際の舌にしびれるような熟成感が出ないことが上げられます。

同じ羊のミルクを使ったマンチェゴなどは、半分以下の熟成でも舌先がジンジンして強い味わいになりますが、このチーズは全くと言っていいほどそれがありません。この辺も我々日本人にとって優しいチーズと言えるのではないでしょうか。

アルバラシンの美味しい空気を冷蔵庫に取り込んで、じっくりと熟成されていきます。

工場長のチモ(右)と責任者のアンドレ(左)です。アンドレはこの先の村の村長もしています。 生ハムを塩漬けして入れる冷蔵庫にも見られるような、外気を取り入れる青いパイプが見えます。

こちらはワイン漬けのチーズでアルバラシンチーズの人気商品の一つです。

こちらは国際チーズコンクール金賞受賞の賞状です。 その後、他のチーズでも銀賞など次々と受賞しています。

地元アラゴン州の賞状です、会社設立わずか5,6年で、アルバラシンチーズ製造業者ケセリア社は輝かしい実績を積み上げてきました。これはひとえに、少量限定の生産を貫き、ミルクの生産以前の、こだわりの飼料作りから一貫して取り組んだ結果がほんの少し出ているに違いありません。

チーズ作りから熟成は、あえて羊の生産地から少し離れたアルバラシン村で行っています、質の高いチーズ作り・熟成に不可欠な「美味しい水」と「美味しい空気」がアルバラシン村にあるからです。

切り口が非常に美しい3ヶ月熟成の青ラベルチーズ、ちなみにワールドチーズアワード銀賞受賞チーズです!

こちらはドンマヌエル36ヶ月熟成!チーズ。日本だけの限定品です。こちらはコンクールには出せないレアものです。上の青ラベルの切り口と比べると、その熟成感の違いがわかります。 これほど熟成感があって味わいしっかり、しかもまろやかで優しいチーズは他にはありません。

私も含めたこの写真のチームで、アルバラシンチーズのすばらしさを、日本のチーズ好きの方々に紹介していきたいと考えています。

 

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