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スペインワインの歴史「3000年の歴史を誇るスペインワイン」

スペインは、フランスやイタリアに並ぶ、世界有数のワイン王国です。ブドウの栽培面積においては世界一を誇り、ワイン生産量においてはフランス、イタリアに次いで世界第3位を誇っています。

ここでは、スペインワインの歴史をたどることで、スペインが世界有数のワイン王国となった経緯を明らかにしていきたいと思います。

スペインワインの歴史は古く、それは紀元前にまでさかのぼります。 スペインでワインづくりが始まったのは、紀元前1100年から紀元前500年にかけてだとされています。

この頃、スペイン東海岸全域は、南のカディスから北東端まで、古代ギリシャ人やフェニキア人たちによって支配されていました。彼らは、祖国から葡萄の樹とワインの醸造技術をスペインにもたらしました。

ローマ帝国がイベリア半島を征服した紀元前100年頃には、ワインの生産はすでに地域の産業として定着し、その後、ヴェニスやジェノバの商人によってローマ帝国全土に広く流通していきました。 スペインワインは、ローマ帝国全土においてとても評判が高かったようです。

ローマ帝国衰退後の5世紀初頭、スペインはゲルマン民族の侵略を受け、ブドウ園の多くが破壊されました。 しかし、西ゴード族がイベリア半島に侵攻したことで、ワインの醸造が再び注目されるようになりました。

※このように、瞬く間に繁栄を遂げたスペインワインですが、8世紀初頭にその繁栄を覆す出来事が起こりました。 それは、711年に始まった、イスラム教徒によるイベリア半島侵攻です。 飲酒を禁ずる戒律を持つイスラム教徒ムーア人によって、ほとんどのブドウ園が破壊されてしまいました。 それでも幸いなことに、食用などとして許された高い名声を持ついくつかのブドウ園は破壊を免れました。 戒律の遵守を重んじるイスラム教徒であっても、高利益を生み出す輸出品であるワインを完全に排除することはできなかったようです。

その後、イスラム教徒の支配下に置かれたイベリア半島では、征服直後の720年から、キリスト教徒によるレコンキスタと呼ばれる国土回復運動が始まり、イスラム教徒は次第にイベリア半島南部へと押し戻されていきました。 その結果、11世紀後半頃には、北部に次々とキリスト教王国が誕生し、キリスト教徒の再植民が行われるのと同時にブドウ畑も再興されていきました。

レコンキスタによって再び創設された修道院や宗教団体は、スペインワイン醸造の伝統を復活させるのに大変重要な役割を果たしました。 キリスト教にとってワインはミサに絶対不可欠なものだったため、ブドウの栽培は主に修道士の仕事でした。彼らは、修道院の周りに必要に見合うだけのブドウの樹を植え、ワインの醸造を行っていました。 今日、最も有名なブドウ畑の多くが、この時代に修道士によって植え付けられたところだとされています。

15世紀末にはレコンキスタが終了し、それと同時に大航海時代が幕開けとなりました。 スペインは広大な領土を獲得し、巨大なワイン市場を手に入れました。 この地理上の大変革は、スペインワインに新たな市場をもたらし、ワイン大量生産への契機となりました。 とりわけ、スペイン南東部の沿岸都市はワイン貿易で栄えました。

16世紀以降になると、ワイン貿易に関わる各国の商人たちが、スペインワイン、特にイベリア半島南部で生産されるワインに注目するようになり、イギリス商人が特権商人として当局の保護の下に積極的にスペイン南部に移住するなど、イギリスとのワイン取引が増えていきました。 それ以来、イギリスは今日までスペインワインの重要な取引先となっています。

17世紀から18世紀にかけて、シェリー酒やマラガのモスカテル、そしてリオハワインが普及しましたが、すでに産業革命が始まっていた他のヨーロッパ諸国に、スペインのワイン醸造技術が後れをとることになってしまいました。

しかし、19世紀後半にフランスで大量発生したフィロキセラによって、フランスのブドウ園は壊滅的な被害を受けたのです。 フィロキセラとは、北アメリカ原産のブドウの根に寄生している、ブドウネアブラムシというブドウの害虫のことです。 大航海時代以降、大陸間の交易が拡大したことで、北アメリカ大陸から北アメリカ原産のブドウの苗木がフランスに持ち込まれ、その苗木に寄生していたフィロキセラがフランス全土のブドウ園に広がってしまいました。 打撃を受けたフランスの多くのワイン生産者や業者は、国境を越えてスペインに流入してきました。 この出来事によって、フランスのワイン生産者が持つ高度な醸造技術をスペインのワイン生産者が学ぶことができ、スペインのワイン産業に近代化をもたらす大きなきっかけとなりました。

フランスで大量発生したフィロキセラは次第に南下し、スペインの広大なワイン産地にも被害を広げていきました。 しかし、被害が拡大するのと同時にフィロキセラへの対抗手段が発見され、20世紀初頭という早い段階でヨーロッパ全土においてフィロキセラ禍を克服することができました。 フィロキセラへの対抗手段とは、フィロキセラに耐性のある北アメリカ原産のブドウの樹へヨーロッパ原産のブドウの樹を接ぎ木するというものでした。フィロキセラはブドウの樹の根に寄生するため、根の部分をフィロキセラ耐性のある北アメリカ原産のブドウにすることでフィロキセラの影響を免れるという考えからです。

その後、第二次世界大戦が勃発し、スペインでは長い内戦の時代が訪れました。 内戦という政治的状況を反映して、スペインワインの生産と輸出が大幅に落ち込み、そのほとんどが国内市場で取り引きされる時期もありました。しかし、1950年代から1960年代にかけて、内戦によって疲弊したブドウ栽培をもう一度立て直すために、大量供給を目的とした協同組合が各地に設けられました。その結果、栽培しやすく大量の果実をつける品種が好まれるようになり、その品種の栽培が広がっていきました。

1970年代に入ると内戦もようやく落ち着き、それまでの半鎖国状態から次第に開放されていくにつれ、スペインのワイン産業も量より質を重視する方向へと大きく転換していきました。 1980年代、そして1990年代にはそれまで名前も知られていなかった各地のワイン産地に素晴らしいワインが生まれるようになり、スペインのワインの質が向上することによって、一躍世界からの注目が集まるようになりました。 21世紀に入った現在、スペインのワイン産業は最盛期を迎え、さらに大きく躍進する時代に差し掛かっています。

世界のワイン産地を旅して醸造技術を習得した新しい世代の醸造家によって、今までにないスペインワインが続々と生み出されています。 世界のワイン業界において今最も注目を浴びているのがスペインなのです。

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