セレモニーや会食などの席では、食前酒としてシャンパンなどのスパークリング・ワインがよく飲まれます。
食前酒を飲む風習は、19世紀ごろにフランスから始まり、現在に至っています。
食事の前にアルコールを少し飲むと、胃が刺激されて食欲が増進します。
特に、炭酸ガスが含まれている発泡性のスパークリング・ワインは、きめ細やかな気泡が心地よく胃を刺激してくれるため、食欲増進効果が絶大です。
また、少しアルコールが入ることで、場の雰囲気をなごませ、出席者同士の会話を弾ませる効果もあります。
食前酒を飲む場合は、その後の食事の邪魔にならないように、あまりアルコール度の高くないワインを選び、少量を飲むのが基本です。
欧米では、食前酒としてスペインのシェリーやカクテルなど、アルコール度の高いものを飲むことが多いですが、日本では白ワインなどをベースにしたアルコール度の低いカクテルが用いられます。
食前酒は必ず飲まなければならないものではありませんが、ウェイティング・バーなどで食前酒を楽しみたい場合や、メニューをじっくり見てから料理を注文したい場合は、食前酒を注文するのが良いでしょう。
食前酒の後にメインの料理とワインを楽しみますが、それらを十分に堪能したら最後は締めくくりとして違うワインを飲みます。 このときに飲むワインが食後酒と呼ばれるものですが、食後酒は基本的にアルコール度の高いワインが用いられます。
アルコール度の高いワインは、胃液の分泌を促す働きがあったり、血管が膨張して血流が活発になり、脂肪の燃焼も助けてくれます。
また、食後酒を飲むと、満腹感がやわらいだり、消化を促進する効果が期待できます。
食後はデザートが欲しくなるように、食後酒の場合も辛口より甘口のデザートワインのほうが適しています。
食後酒には貴腐ワインなどの甘口ワインやポートワイン、ブランデーなどがよく用いられます。
そのほか、甘みの強いリキュールやカクテルなども食後酒に向いています。
食前酒から食後酒までのワイン選びの基本は、アルコール度を徐々に上げていくということです。
これはあくまでも理想なので、アルコールに弱い方の場合は、最初から最後までアルコール度の低いもので楽しめばいいですし、逆にアルコールに強い方であれば、最初からアルコール度の高いものを選んでも問題ないでしょう。
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