ピジョン エトフェ(フランス産鳩中抜き 窒息タイプ ハト)【小さくても味濃く美味!】5.00 (24件のレシピ) |
投稿者: 愛知県 パイコー様 投稿日付:2016/02/26 20:50 | ||
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私にとって、鴨とは対照的な素材がピジョンです。どちらも同じく血の色が強い赤い肉ではあるものの、北回帰線より上の地域で越冬する鴨には、冬の寒さに耐えるためのしっかりとした脂肪の層がありますが、乾燥した気候の中でも繁殖する鳩は、脂肪の少ない筋肉質な体つきです。 鳩はフランスでもよく食べられてはいるのですが、個人的には北アフリカから中近東にかけてのイスラム文化を代表する家禽類というイメージのほうが強い食材です。 アラブっぽいエキゾチックなスパイスとナッツの組み合わせは、灼熱の砂漠の風を連想させてくれます。 宗教的な理由でアルコールは料理に使えないので、匂い消しとしてネロリ水(オレンジの花の芳香蒸留水)を使います。
アラビア風鳩のファルシ分量は2羽分(2人前)
詰め物を作る:
1.鳩に先ほど作ったファルスを入れる。クスクスは鳩の肉汁を吸って膨らむので、あまり詰めすぎないようにする。鳩についていた輪ゴムを使って形を整える。 2. タジン鍋かココットにオリーブオイルを引き、鳩を入れたら転がしながら全体が軽く色づくまで焼く。 3. 1カップの水を加え、ドライデーツ5-6個、シナモンスティック2本、サフラン1つまみ、ジンジャースライス2枚を入れて煮立たせる。 4.沸騰してきたら火を弱め、蓋をして20~30分程度蒸し煮にして鳩に火を通す。途中で一度返す。
その間に付け合わせのクスクスを作る:
仕上げ: 1.鳩肉に火が通ったら取り出して暖かい場所に置いておく。柔らかくなったデーツも取り出す。 2.スパイスを取り出してから残った煮汁を半分~1/3程度に煮詰め、ネロリ水を大2程度加え、塩を入れて味を調え、ソースとして別容器に取り置く。(ネロリ水は過熱しすぎると香りが飛ぶので最後に足す) 3.タジン鍋にクスクスを薄く敷き、その上に鳩を載せる。周囲に煮ておいたデーツとオーブンでローストしたピスタチオをあしらう。
感想: サフランで軽く黄金色に染まったピジョンは、半分に割ると中にぎっしりとピスタチオとデーツの詰め物が入っています。手羽も腿もそれほど肉はついておらず、メインとしては胸肉を重点的に頂く感じです。 肉質は非常にさっぱりとしてはいるものの、味わいも香りも濃厚です。ともすれば強い血の味が鼻につきそうなところですが、詰め物を少し肉につけて一緒にいただくと、この強い香りが鳩の味わいと不思議にマッチして、食べやすくなります。詰め物は付けあわせというよりも調味料としての役割が強い感じです。 デーツの甘味、にんにくの辛味、シナモンとネロリの芳香がエキゾチックです。そしてピスタチオの芳醇な香りは鳩によく合います。ピスタチオの鮮やかな緑と、ソースの黄金色もコントラストが美しいと思いました。 この食事は、手でいただくのが正解な気がします。指に触れる肉のしっとりとした手触りや硬いピスタチオの触感、粒粒としたクスクスのふわりとした感触など、触覚にも様々な刺激があり、味わいがさらに深まった気がします。 最後に鳩のエキスが出た煮汁のソースをクスクスにかけていただきます。ファルスの残った部分も一緒に混ぜていただくのも香り高くなっておいしいです。 鳩1羽は割と小ぶりなので一人1羽でもちょっと物足りないかと思いましたが、味が濃厚な分満足度の高いディナーとなりました。 詰め物の準備 鳩を焼いていく 出来上がり 一人分 半分に割ったところ | ||
商品の評価:★★★★★ | ||
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