鴨ってロース(胸肉)は結構売っているんですが、もも肉はめったに見かけません。
でもグルメソムリエには常時数種類あるので、用途に合わせて使い分けるという贅沢なこともできたりします。
今回は冬瓜などと合わせて広東のスープにしてみました。
通常広東式スープは肉を湯通してから他の食材と一緒に煮ますが、このスープは湯通しのかわりにいい色がつくまでよく焼いたのを使います。スープにもいい色がつきますし、香ばしく焼けた皮の香りが加わって、とてもおいしいスープになりますよ。
【材料】
合鴨モモ肉2本入り(チェリバリー種) 1パック
冬瓜 300g 蜜棗 3個
芫茜(パクチー) 根っこも含めて3本
杏仁 1つかみ
クコ 半つかみ
陳皮 大きいの2枚
ショウガ薄切り 2枚
塩 適量
【作り方】
1.合鴨は関節から切り離してできればそれを骨ごとさらに2つに切る。冬瓜は皮をむいて適当に切る。芫茜は葉っぱの部分は他に使い、茎と根っこだけにする。茎だけでもいいが根っこを入れると味が格段に良くなるのでできれば根っこつきのものを買うこと。
2.中華鍋(フライパン)を熱して油をしかず合鴨を皮目を下にして入れ、中火でしっかりと焼き色をつける。いい色になったら肉の側にひっくり返して焼き色をつける。
3.合鴨、芫茜、陳皮、ショウガ、さっと洗った蜜棗を土鍋に入れ、たっぷりの水を張って蓋をして沸騰するまで強火、沸騰後はふつふついうくらいのごく弱火で1時間煮込む。
4.冬瓜を入れてさらに1時間煮込む。
5.最後に味を見て塩少量で味をつける。
合鴨は時々脂の多さが気になりますが、しっかりと焼き色をつけることである程度脂が落ちて思いの外あっさりとしたスープです。芫茜の根っこは熱を入れることでセロリのような芳香に変わり、その風味が合鴨の美味しさを引き立て、蜜棗のかすかな甘味がスープにコクを添えます。陳皮から出た柑橘系の香りが合鴨との相性バツグンなのは、フランス料理の鴨のオレンジソースがあることからもわかるかと思います。とにもかくにも、時間はかかるけど手間いらずの、とっても美味しいスープなのでぜひお試しください。