ワインを飲む前の大切な儀式、それがコルク栓の抜栓です。と、こう書きますと大変仰々しいものになりますが、手軽に飲めるデイリーワインからオールドビンテージワインまで様々ですから、ワインによって臨機応変に考えていただければと先ずは思います。
先ずはワインオープナーの使い方ですが、ワインを開けるとき、ワインオープナーのスクリューがまっすぐに入らず、コルクが割れてしまったという経験を持つ方も多いのではないでしょうか。
ワインのコルクを抜く抜栓には、ちょっとしたコツが必要なのです。
ワインオープナーにもいろいろなタイプがありますが、ここではスクリューのついた一般的なワインオープナーを例にとって、抜栓の仕方をご説明したいと思います。
まず、どのタイプのワインオープナーを使っても同様のことが言えますが、ワインを開けることを恐れてはいけないということです。 失敗することを極端に恐れていては、上手にできるものも上手くいきません。 コツさえつかめば、ワインの抜栓も決して難しいことではないので、はじめから不安に思わず、とりあえずチャレンジしてみましょう。
ワインオープナーには、らせん状のスクリューが付いています。 スクリューの先端をコルクの中心にまっすぐ当て、コルクが破損しないよう、ワインに垂直な方向に差し込みます。 抜くときは、最初ゆっくりジワッと抜き始めてコルクが動き始めたら一定の力で抜いていって、最後の抜き取り時に力を抜いていくというのがポイントです。
またソムリエナイフなどでコルクを抜く場合には、まずキャップシールを外しますが、その際に注意したいのはワインを回さず、瓶はそのままにソムリエナイフをこまめに何度か回しながらキャップシールを切っていくということです。ワインを回してしまいますとワインの澱などが浮遊してしまいワインの味が変わってしまいます。ワイン本体は出来るだけ優しく扱うことが大切です。
シャンパンなどのスパークリング・ワインは、炭酸ガスによって泡が立つ発泡酒なので、普通のワインの場合と抜栓方法が少し異なります。 ワインを5℃から8℃に十分冷やしてから、キャップシールをはがします。 コルクが飛ばないように右手で押さえながら、左手で巻きつけてある針金をゆるめて外します。 コルクが飛び出さないように、ナプキンなどの布をボトルの口に巻き、右手でコルクをしっかり押さえて、左手でボトルの底を持ち、ボトルを少しずつ回転させていきます。 コルクが自然に持ち上がってくるので、人のいない方向にコルクの頭を傾けながら、少しずつ炭酸ガスを抜いていきます。 炭酸ガスが抜けたら、静かにコルクを抜けば完了です。
この際にもワインと同じように出来るだけボトルを優しく扱うことが大切です。
ワインは、音を立てずに抜くのが上品だと言われています。 抜栓の音は、ため息のようにと表現されるように、小さければ小さいほど良いとされていますが、ワインを出来るだけ優しく扱うということも含めて言えると思います。
ワインを飲む前の儀式としてのコルクの抜栓が手際よくスムーズにできるようになれば、場の雰囲気も壊さずワインの味わいもまた格別になるのではないでしょうか。
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