質問者: 週末だけパパ様 質問日付:2008/04/18 11:38 | |
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Q ☆肉の熟成方法についての質問です。肉は熟成させると美味しいと言われると思いますが、肉の中ではどういった反応が起きているのでしょうか?また他の肉(鶏肉,豚肉,羊肉,馬肉,他の内臓肉など)はどうなんでしょうか?また家庭でできる熟成方法で何か良い方法はありますか? |
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A ☆肉の熟成についてのご質問ありがとうございます。先ず肉の熟成についてですが、肉の中でどのような変化が順番に起きているのかをご説明させていただきます。 屠殺→死後硬直→解硬→熟成 という順番で肉が変化していきます。 生食をする魚にたとえることでわかりやすく説明出来ますので、少し書いてみます。 死後硬直は肉が死後数時間で固くなることですが、これは魚の刺身などで鮮度が良い物はコリコリすることがありますがこの時点のものと言えます。 次に解硬ですが、肉が徐々に軟らかくなっていきます。マグロの刺身などはこの解硬され終了してむしろ熟成に入っている状態のものが美味しいと言えます。 次に熟成は肉の中のタンパク質が、肉自身が持っている酵素によって分解されアミノ酸に変化することです。 この一連の流れの中で、魚は熟成に到達する時間がものすごく早いです。その中でもマグロは一番遅く、熟成に到達する時間が長いということは、肉の持ちもいい、ということになります。業界ではマグロのことを魚の牛肉などと呼んでいる人もいるくらいです。 本題に戻りますと豚肉、羊肉、馬肉などは牛肉に比べて熟成に適する期間は短いですが、熟成をすることによって肉は美味しく風味良くなります。 鶏肉は通常の肉の中ではもっとも熟成期間が短いと言えます。通常ですと2日ぐらいです。しかしながらこれはブロイラーなど比較的飼育期間が短い鶏の場合でして地鶏などの飼育期間が長く肉質もしっかりしているものなどは熟成期間も長くなる傾向にあります。 また牛肉などは3週間程が熟成期間で食肉の中ではもっとも長いですが、和牛などの肉質がしっかりしている牛肉はもっと熟成期間が長くなります。またこの熟成期間については肉のブロックの大きさも関係していると考えられていますし、バクテリア的なこともありますので、室内の細菌状態、枝肉の細菌状態などによってかなり変化すると思われます。 又、熟成に適した肉の大きさとか形態ですが、なるべく屠殺時から骨付きのものが望ましいです。特に鶏の場合は死後硬直を骨付きで迎えるか?どうか?が肉の保水率に大きく影響するものと思われ、骨付きの丸鶏の状態で熟成されたムネ肉はジューシーですが、屠殺と同時に解体されたブロイラーなどのムネ肉はパサついてしまいます。 これは、細かい肉に解体された後に死後硬直を迎えることになり骨などの肉を収縮を阻止するものが無いために硬直で肉が収縮してしまい肉汁などの保水率が著しく下がると思われます。美味しいムネを食べるなら骨付きの丸鶏を購入して食べるのが一番良い方法です。 内臓肉にも熟成期間があるとは思いますが、内臓にはもともと微生物が多く含まれていますので熟成をすることは他の雑菌を増やすことになりますので特別な方法がなければおすすめ出来ません。 またご家庭での熟成方法ですが、なるべく可能な限りの大きなブロックで熟成することが成功する秘訣です。スライスとか切り身では熟成には適していません。ご家庭では冷蔵庫の温度帯はなるべく0℃に近い温度帯での保存が望ましいです。またブロック肉を熟成する前に表面の雑菌をさっと水洗いや、アルコールなどで取り除くこともコツと言えます。 またブロックなどをマリネすることで手軽に熟成が出来て肉の鮮度も比較的良い状態で保つことが出来る方法だと思います。 ここからは2015年3月記載です。 また今流行のドライエイジングビーフなどのドライエイジングですが、ご家庭でやることはおすすめできません。熟成期間が長いので思わぬ菌が繁殖することもございます。 職業柄業務でドライエイジングをやられているところは一般的に庫内のバクテリアが落ちついていて一定しているところや、細菌検査をまめにして庫内のバクテリアなどを把握している状態が望ましく、一般の方ではその検査など一般的では無いためおすすめできません。信頼できる業者よりのご購入をお奨めいたします。 | |
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