先日、フランスの食肉会社の担当の方が来社した際に、中国の豚肉のマーケットの話になった。中国では豚肉でもかなりコアな部位の引き合いが目立つという。その一部にムーンボーンという骨があって通常のげんこつよりも3倍から4倍の価格!で取引されるという。
いったいムーンボーンとは何処の骨だろうか?
実はムーンボーンとは形が月の欠けた形に似ているから付いた名前らしいとのこと。肩の骨で、どうもアイスバインのところの骨らしい。どおりでアイスバインは出汁が出ると思った!塩漬けして旨みが増えたと言っても、アイスバインの調理途中で出る副産物ともいえるブイヨンは、かなりの代物。写真のようにできたものを、下記のようにタッパーに取っておくと翌日には旨みたっぷりのゼリー状になっている。
※副産物と言うにはあまりにも上質な出汁が出来る。アイスバインのブイヨン
ちなみに中国のマーケットでは、ムーンボーンはもちろん、豚の耳、鼻、胃袋、豚のマスク、皮、豚足などの引き合いが強いという。ということは中華の食材にはフランスの豚も入っていることになる。国際色豊かな中華というのも興味深いものだ。
話はまた戻ってしまうが、ムーンボーンは日本のラーメン屋さんには嫌われてしまう。なぜかというと、通常のげんこつに比べて割れにくいし、骨髄もあまり入ってないからだ。でも中国で引っ張りだこのこの骨は、濃厚な出汁が取れるらしい。