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カサルバのサラミ類のこだわりと特徴

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カサルバ社は2008年にカサルバ社のイベリコ豚の全加工品を対象にフランスのコックドール賞の受賞を受けています。スペインでは受賞した会社は3社しかなく、しかもイベリコ豚全製品で受けているのはカサルバだけです(2008年現在)

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※コックドール賞の受賞時の写真真ん中がカサルバ社のフリオ氏、パリにて

カサルバ社の生ハム類の特徴としましてはスペインの北部のブルゴスから更にリオハ寄りに位置するために、取引先のパイス・バスク地方の食の影響を受けていることです。 パイス・バスク地方はフランスとスペインにまたがり世界でもミシュランの星の密度が高いサンセバスティアンをはじめビルバオなど高級レストランのメッカであり、フランスのシャルキュトリの影響を受けながら独自のグルメ文化を育んでいる世界でも有数なグルメ地域と言えます。カサルバ社は地理的利点もありパイス・バスク地方の高級レストランと高級チャルクテリア(生ハム・チーズ・ワイン専門店)との取引が多くその製品は非常に洗練されたものになっています。

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スペインはサンセバスティアン(サンセバスチャン)の三つ星レストラン、マルティン・ベラサテギ氏は彼の良き仕事のパートナーであり、無二の親友です。そしてハモンイベリコベジョータやパンセタ/イベリコベジョータやサラミ類、イベリコ豚の精肉を始めカサルバ社の数々の製品を使ってメニュー化をしています。

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※ベンハミン・ロメオのボデガ・コンタドールでの試食。右手前がカサルバのフリオ、その奥がベンハミン。

またスペインの高級ワイン産地であるリオハにも近く、リオハの世界的醸造家でもあるベンハミンロメオ氏と写真のように生ハム・サラミ類とワインのマリアージュによりお互いの製品のレベルを高め合っています。ベンハミンロメオ氏はコンタドール2004、2005で連続してパーカーポイント100点をとったことでも世界的に有名なスペインを代表する醸造家の一人です。

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カサルバ社の製品の品質の高さと美味しさは世界の食通が集まる本場フランスでも実証されています。ご覧のようにパリの高級デリカショップ・ フォションでもカサルバ社の製品がハモンイベリコ・ベジョータをはじめサラミ類など多数販売されていますし、ミシュランの星付きレストランでも多数採用されています。

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フォションではこうやって小量ずつのカサルバのチョリソーやサルチチョン、サルタ、ロモなどを購入することが出来ます。

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カサルバの原料を見る目は厳しく、こうやって毎日イベリコ豚の市場に専門のスタッフを朝早くから派遣をして鮮度の良い肉を仕入れます。このようにラックに吊しながらトラックで運び冷却をするのです。鮮度の良い肉で質の良いものをチョリソーやサルチチョンに使っています。

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仕入れた肉は鮮度の良いうちに天然の豚腸に入れられ、冷蔵庫で寝かせられます。チョリソー・サルタの表面がデコボコしているのは上質の肉塊を多く入れている証拠です。カサルバのチョリソーは挽肉のサラミと言うよりも肉塊のサラミに近い食感ですので、非常に美味しく頂けます。

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ドングリの枝を燻して乾燥させます。カサルバのボデガはいつも清潔です。2週間前後この工程を繰り返して、そのごボデガの上の階に上げられじっくりと自然の涼風で熟成をかけていきます。この界隈の涼風と気候が良質の乳酸菌を発酵させじっくりと熟成することで甘みとコクのあるサラミ類に仕上がっていきます。

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カサルバのボデガの裏山には生ハムやチョリソー・サルチチョンを美味しくする風が吹いています。風はリオハからも吹いてきます。近くではカサルバのハモンセラーノ用の豚の放牧が行われており、一度私も散歩の時に豚を放牧している老人に出合いました。単刀直入に「豚にどんなものを食べさせているの?」と聞くと、おもむろに無言で自分のポケットから豚の飼料を見せて誇らしげに笑っていました。この老人は常に自分の豚のことを考えているそうです。カサルバのフリオは常に生ハムのことを考えています。どちらも職人であり名人です。

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カサルバ社はスペインの衛生法でトレーサビリティーの証明法人として認められた証明書「CALICERカリセル」を取得しています。生ハムやサラミはは1本1本バーコード付きのバーコードタグで管理されロットごとに「製造工程管理表」が付けられ追跡調査ができるようになっています。品質の高い生ハム作りには「豚の品質管理と生産者の管理が欠かせない」ことを熟知しています。

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このように自然の涼風でじっくりと熟成されていきます。1本ごとバーコードタグでサラミも管理されています。

スペインの展示会の中でもレストラン関係の業者が多く集まるサロンデグルメは他の展示会とは一味もふた味も違った意味でレベルが高い展示会です。展示会が終わってもカサルバのブースは賑やかです。これからカサルバの生ハムとハムに合うワインを飲んでからじゃないと帰れない(帰らない!)お客さんや同業他社が集まって連日バルのようになるからです。

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そして展示会終了間際になるとカサルバの生ハムやサラミ類を食べるお客さんや同業者で賑わいます。大手の量販店やデパートのバイヤーなど日頃は大手の大量生産の生ハム、サラミ類を扱っていますが、自分の舌には正直です。「日頃食べられないカサルバの手作りの美味しいもの」を求めてやってくるのです。

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大量生産の生ハムメーカーが多い中でカサルバは、三つ星レストランで通用する肉を適量仕入れて、しっかりと手間暇かけて熟成をかけていきます。 展示会には生ハムをお目当てでやってくる人、チョリソー、サルチチョンに使われる良質な肉塊の味わいを求めてやってくる人など、様々な楽しみ方があります。

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基本的にカサルバのチョリソーやサルチチョン、ロモなど、三つ星レストランなど高級なレストランで使用しているイベリコ豚のトントロの部分やセクレトの霜降りの部分などをふんだんに使ってしまいます。様々な味付けのサラミ類や熟成によって違う味わいを堪能することはサラミ好きにはたまらないメーカーだと思います!

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カサルバ社のロモ・ベジョータ・プレミアムは霜降りのロモばかりを選別した製品を特別に日本に送ってきます。ご覧のようにエンブティード(サラミ・チョリソー)関係はボディのしっかりした白ワインにも良く合います。ベンハミン・ロメオ氏のマシソはボディがしっかりした辛口の白ワインですが、 エンブティード関係の自然な甘さを引き立てて良く合い、サラミ関係が美味しく頂けるワインでおすすめです!

カサルバのサラミ関係はこちらから

ベンハミンロメオのマシソはこちら
   

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牛刺しやユッケをどうしても食べたくなったら次の点を厳守して下さい♪

ユッケの食中毒事件におきまして亡くなった方々、本当にお気の毒です。謹んでご冥福をお祈りいたします。
そして未だ入院している方々、入院は大変だと思いますが、早く良くなることをお祈り申し上げます。

僕も同じく食肉業界で仕事をしている人間として、表題の「危険は承知でもどうしても食べたくなってしまったら?」
ということで、ユッケや牛刺しの作り方や、注意点をあげてみました。参考になれば幸いです。

0)先ず考えかたとしては、生肉のブロックは表面に雑菌が存在することを前提に、肉を触る手や食器類はすべて菌が移ってしまう、ということを理解して作業をするということが必要です。

1)ユッケや牛刺しはブロック肉で購入しますが、鮮度が良くなるべく大きめのブロックで真空パックをしないものを求める。
そして、肉には刺し傷や切れ目が入ってないことが前提です。刺し傷や切れ目からは雑菌が混入している可能性もあります。
※生肉の表面には雑菌が付いていることを前提に考えます!と真空パックをすることで肉の内部に雑菌が浸透してしまうことが考えられるからです。真空はせずにできればミートペーパーなどで肉汁を吸い取るように包んであることがベストです。

2)保管の際には温度管理を徹底する。冷蔵庫は2℃や3℃ではなく0℃から1℃が最適です。温度が高いと表面の雑菌の繁殖のスピードが速くなってしまいます。またO157 や011などは全く異臭など無く、ものすごく少ない菌数でも食中毒が起きる場合がありますので、見たり、かいだりしても分かりません。

※次にトリミングですが、トリミングの前処理がすごく重要です。    

3)生肉のブロックは沸騰したお湯で煮沸殺菌をする。数十秒です。これで肉の雑菌は死滅します。
  その後、きれいな氷水に冷やして余熱をとり、トリミングをする。
  トリミングは生肉用などのまな板ではなく、きれいなまな板を煮沸殺菌をします。ナイフも一緒にしてしまいます。
  手は、素手ではなく、必ずビニールの手袋を用います。爪の間や指紋の間には雑菌がいますので、洗剤による1回の手洗いやアルコール消毒では滅菌できません。熱湯に手を入れるわけにはいきませんので、手術用などの手袋をして下さい。ちなみに弊社は生食の加工はやっていませんが、1日に何度も手術用の手袋を取り替えながら作業をやっています。

4)トリミングの際には煮沸をして色が変わっている部分を全て取り除きますが、取り除かなくてもたたき風になりますので、大方は安全な食材ということになると思います。基本的に肉の中は無菌の状態です。

※テレビなどでトリミングを、素手でしかも生肉をそのままの状態でやっていますが、これは全くダメだと思います。細菌は目には見えません。
仮に生肉全体に塗ったマスタードを雑菌と仮定しますと、素手で普通にトリミングをして、マスタードを全てきれいに取り除くことができるでしょうか?ナイフや手についてしまい、トリミング先の肉の面にもまな板にも付いてしまいます。これではトリミングをしながら雑菌を手やナイフやまな板を介してなすりつけているようなものです。
大切なことは、トリミングの前に、生肉、ナイフ、まな板など肉に付く全てもものを殺菌することです。そして手には手袋をして、始めて菌が何処にも付かない状態になります。

ここまで書きましたが、以上のことは一例にすぎずに、それでも完璧とは言えませんが、それでも上記のことをやっている飲食店は少ないかも知れません。ご参考になれば幸いです。