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未分類 美味しい話

スペイン・セビージャ注目のレストラン! 新鮮シーフード料理と生ハムカットは圧巻!『Jaylu(ハイル)』

1967年、創業者JavierとLuisの名を併せた造語名でオープンした、家族経営レストラン。カウンター奥にテーブル席がある小ぢんまりした店内ですが、お薦めはカウンター席。

毎朝、オーナーが80km離れたウエルバの市場まで買い出しに行き、新鮮な魚介類が並ぶ傍らで、カマレロが生ハム原木を手際よくカットし、お皿に並べる様はYoutubeにもアップされるほど、まさにアート。

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スペインはエビの種類が豊富ですが、ぜひ試していただきたいのが『Carabinero (カラビネロ)』クルマエビの一種。プリプリの身に冷えた白ワインがよく合います。

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アンダルシアの郷土料理をJaylu風にアレンジしたタパスなどの一品料理も、前衛的過ぎず、バランスの取れた、飽きのこない日本人好みの味わい。ガイドブックにもあまり掲載されない隠れ家的レストランです。  

 (Mayumi)

Jaylu(ハイル)
Calle Lopez de Gomara,
19, 41010 Sevilla, Spain
+34 954341525

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生ハム・料理レシピ 生ハム/エンブティード

スペイン・ラマンチャ地方の『伝統的お手軽タパス』はおすすめメニュー

ドン・キホーテと聞いて、総合ディスカウントストアではなく、騎士道物語を思い出す人は、かなりのスペイン通または読書家。

今回は、その物語の中でも紹介される、スペインラマンチャの郷土料理『Duelos y quebrantos(ドゥエロス・イ・ケブラントス/決戦と苦悩)』を紹介します。名前の由来は諸説ありますが、昔、戦いに引き連れ命を落とした馬、牛、ロバなどの脳みそや脂身を食べたという説が有力です。この料理は、カトリック規律で、肉や卵を摂取できる小斎の土曜日に食べていたそうで、物語の中にもその記述が残されています。

決戦は土曜日

現在は高カロリーを避けるためか、チョリソ、三枚肉のベーコンをとき卵でとじ、塩コショウするレシピが主流で、ご家庭でも、バルメニューにも使えるお手軽な一品料理として継承されています。肉のうまみがフワフワの卵と調和し、こってりしていそうなのに嫌みのない、まさにお代わりしたくなる美味しさ。

裏ワザとして、ベーコンの代わりに卵と相性抜群のパンセタ(パンチェタ)を使うとさらにGood!加熱してトロ~ッと脂が溶けだしたパンセタと、半熟卵のマリアージュは絶品です。ワインは白、赤どちらに合わせてもおいしく頂けます。“決戦は土曜日”、日替わりのお薦めメニュにピッタリです!

(Mayumi)

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■チーズ(ナチュラルチーズ) ナチュラルチーズ

『無冠の帝王、ドンマヌエル様』

アルバラシンチーズの羊ミルクチーズの試食をされたお客様から、こんなご質問を頂きました。

「羊ミルクチーズ・ドンマヌエル15ヵ月熟成ってこんなに美味しいし、一番高級なのに,なぜ賞がとれないのですか?」

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熟成の浅い青ラベル(アスル)や金ラベル(ゴールド)、赤ワイン風味(アルヴィーノ)、ローズマリー風味など、他の羊ミルクチーズたちは、World Cheese Awardsの賞を多数獲得しています。中でも青ラベル(アスル)は、世界中の全チーズのトップ16にエントリーされたくらいです。

しかしながら、アルバラシンチーズを代表するドンマヌエルだけは無冠なのです。不思議に思いますよね? 実は実は。。。コンクールにエントリー出来ないからなのです(^^) でも、なぜなぜなぜ??

アルバラシンチーズで、1日に生産できるチーズは小さな釜一つ分だけです。チーズの原料ミルクは、自社生産のミルクだけに限定しているから1日ひと釜なのです。

アルバラシンチーズは、飼育舎の周りで飼料の栽培から始まり、飼育、乳搾り、そしてチーズ造りと一貫して生産している、数少ないメーカーなんですね。自社の上質なミルクだけにこだわっているので、1日ひと釜しか炊けないのです。

以前、国際チーズコンクールで、金ラベル(ゴールド)チーズが金賞受賞しました。スペイン国内では、その金賞受賞したチーズへの関心が高まり、テレビなどでもインタビューなど放映され、金ラベルチーズはおろか、他のチーズの製造がおよそ半年間も間に合わなくなるという事態になってしまった事があります。他のチーズの生産を半分以下にして対応しましたが、それでも一番長かった時で半年待ち。。。

ドンマヌエルは一番の長期熟成のチーズですので、もし、タダでさえ人気のあるドンマヌエルが何か賞を取ってしまったとしたら。。。15ヵ月熟成が経過しないとでき上がらないチーズですから、生産効率はすごく悪く、それこそ他のチーズの出荷が止まってしまいます。。。そしてそれは小さな会社の為に経営上の数字に大きく響くようです。

アルバラシン社としても、金ラベルチーズの金賞受賞経験で懲りているために、ドンマヌエルだけは、知る人ぞ知る特別のチーズとしてそ〜っとしておくことにしたようです。ですからドンマヌエルチーズは「無冠の帝王」と言うべきチーズなのです。       

    (グルたむ)

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■トレベレス・生ハム 生ハム/エンブティード

冬場って生ハムが乾きやすいけど…

生ハムの輸入販売を行って、かれこれ10年近くになりますが、秋以降になりますと一般の方々からも次々と生ハムの注文が増えてきます。急に冷え込んできますと、我が社も生ハムの季節到来ということで、一気に出荷が増えていきます。

スペインに行きますと、40℃近い炎天下の軒下にも生ハムがぶら下がっていたり、カルフールなどの大型スーパーでも、真夏の時期でも、裸のままの生ハムがずら?っと、壁のように両サイドから十数メートルぐらい続いていて壮観です!が、やはりクリスマスシーズンになりますと、通常切り売りを購入していた一般のお客さんも骨付きの原木を購入したりと、一気に雰囲気が高まるのがこのシーズンですね。

日本の場合には、特に忘年会からクリスマス、そして年末年始とグルメ行事!目白押しですから、この時期に一般の方々も、自宅やお店で生ハムを食べる機会が多くなってきます。そして生ハムを開封しますと意外にわかることが、「日本の冬は乾燥しているな?」と言うことです。そしてそして我々販売者が体感しているというか、感じていることは、一般のお客様は生ハムを3ヶ月から6ヶ月で食べる方が多いのですが、中には1年もの間かけて食べられる方もいらっしゃいますが、不思議と「生ハムが乾燥していてそれを防ぐ手立てはないか?」とあまり聞かれないことです。

生ハム生活の手引き書にも色々書いてあるのですが、乾燥を防ぐというよりも、乾燥したハムをいかに美味しく食べるか?が書いてあります。意外と、プロの方々が乾燥を嫌うと言いますか、神経質になっておられると思います。でもこのことって当然ですよね?、お客さんに美味しく食べてもらいたいと思っているわけですからね。「生ハムを柔らかいうちに出すにはどうしたら良いのか?」 一番の解決策が「乾かないうちに出す!」ということにつきます。

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フビレスの生ハムを使っている、ムルシアのバルがありますが、1日に多いときで7本!、少ないときでも3本生ハムを使うといいます。開店は朝6時で、閉店は0時。生ハム1人前120g、1本で40人前ぐらい取れますから、日本式に生ハムをラーメンにたとえますと、1日120玉から280玉の麺を消化する繁盛店といったところでしょうか。

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ただこちらのバルは、生ハムを原木でも、シュゼットのようにうす?く、さっさっさっとスライスをして、花びらのように積み重ねていきます。それが何とも美しく美味しいんですが、このお店はこんなに1日に生ハムが出るのに、生ハムを使った他のメニューが数多くあったと思います。

で、お伝えしたかったことと言えば、生ハムを早く回転させて乾かないようにするには、生ハムの切り方も大切だけれども、生ハムとサラミの盛り合わせだけのメニューではなく、様々なアイディアメニューを作り、取り組んでこそ回転していくんだということです。                 

 (グルたむ)

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■メモ帳 未分類

『肉の冷凍解凍で』一考

 これからの時期、作り置きをしておいて小出しできるようにするために、少量パックにしての冷凍保存って便利ですよね。クリスマスから年末年始と、めまぐるしく変わる日付に合わせてメニューの対応をしていますと、なおさら冷凍解凍が頻繁に起こってきます。

今回はそのお話しです。まず仕込みなどで肉を柔らかく煮たものを冷凍かける場合は、煮ることによって繊維を崩していますので、冷凍によるストレスが少ない形態になりますが、生肉の冷凍などの場合は肉の細胞繊維に含まれる水分が豊富に存在しますので、繊維をなるべく壊さないことで、保水率を保った冷凍をかけることが必要になってきます。

そのためには、最大表結晶生成帯という温度帯(0℃〜6℃)を早く通過することが必要です。いわゆる細胞繊維の中に含まれる水分が、氷ることで結晶化するわけですが、ゆっくりと氷りますとこの氷の結晶が大きくなり、肉の細胞繊維を破壊してしまいます。そして解凍時に肉汁や旨味成分などをともないドリップとして出てしまうのです。

冷凍をかける場合は、きっちりとラップやジップロックなどの袋に入れ、アルミの板など熱伝導の良い物の上に置いたり、冷風が通りやすくすると良いと思います。

※真空パックなどは肉がしっかり密封されますので冷凍でも解凍でも一番有効な方法だと思います。

次に解凍です。意外と知られていないのですが、解凍の場合も最大表結晶生成帯を早く通過するということが重要です。冷蔵庫でゆっくり解凍、、云々という方法がありますが、一晩くらいでしたら良いのですが、2,3日になりますと、解凍中に細胞繊維の中の氷の結晶が大きくなり、細胞繊維を破壊し、解凍後のドリップが増えてパサつきやすい肉になってしまいます。

では解凍の方法はどういう方法が良いのでしょうか? 熱伝導の優れた方法を使うのがコツです。ステーキなどの薄い物は、熱伝導の優れたアルミ板での解凍など効果的ですが、ブロック肉などは氷水での解凍が熱伝導が良く、全体的に熱交換が活発になり、冷蔵庫内の解凍より効果的です。そして解凍した肉は直ぐに使わないで、一晩ぐらい冷蔵庫に入れて、肉の細胞繊維をしっかりさせてからの調理が基本です。

 (グルたむ)

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その他の出張 美味しい話

『パンセタ巻きハンバーグ』 ちょっと美味しいお料理ご紹介

大人数での食事が多くなる季節がやってきました。そこで、手軽に作れてちょっと差のつく、パンセタ巻きハンバーグ「ペルレタ」をご紹介。

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この秋の Bodega Contadorでの研修期間中の、ある日の食事に出てきました。写真は、牛挽肉だけで造ったハンバーグにチーズを巻いて、その周りにパンセタを巻いたものです。大きさは、直径が 500mlペットボトルの底部くらい。そんなに料理に詳しくないお兄ちゃんが作ってくれたので、定かではありませんが、ハンバーグ自体には肉の決まりはないようです。

また、全国的に食べられているものでもないようです。とにかく重要なのはハンバーグをパンセタで巻いていること。チーズとハンバーグの組み合わせはご存知の通りですが、そこにパンセタの脂が混じって、肉の旨味が増長!また、周囲をパンセタで巻いているせいか、しっとりと食べられます。ひと口、ふた口サイズのお料理ですが、旨味たっぷりでワインが進みます。

パンセタの代わりにパパーダを使うと、ちょっと違ったおいしさが出ますので、こちらも是非、お試しを ‼

ちなみに、後日、チーズ抜きを作ってもらいましたが、個人的には、単純な豚油と牛赤身のコラボのこちらが好きです。

         (Yoshy)

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■イベリコ豚 未分類 生ハム・料理レシピ 生ハム/エンブティード

書籍のご案内 『イベリコ豚を買いに』   野地 秩嘉:著

 

作家である野地さんが、イベリコ豚を輸入して本格的なハムを作って販売するまでを、素人目線で面白おかしく感慨深く描いたノンフィクションです。

登場人物は数少ないので比較的軽い感じで読まれても、あっちこっちわからなくならずに、この本の醍醐味を感じることができるのではないでしょうか。

食肉業界の関係者やシェフなどが登場し、それぞれの立場にたった主義主張や考え方なども垣間見ることができる本です。

弊社も少し登場しておりますが、あらためて思い出しますといろんな意味で長い道のりでした。ちなみに今もこのハムは販売中です。

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(グルたむ)