パルマハムは骨付きと骨なしのブロック(ボンレスブロック)などどちらも楽しめるが、
スライサーなどの機械で切る場合などボンレスが望ましい。ボンレスの作業工程はダイナミックかつ繊細だ。
パルマハムの骨抜き光景。正確にナイフを入れていかないと、生ハムの肉を傷つけてしまうので、専門技が要求される。
太ももと足首の骨2本を続けて抜いてしまう。
骨を抜き取った後に、周りをきれいにカットしていく。美しい肉の色が現れてくる。
先ほどのカビが生えていた表面の下にはこんなに美しい肉の色が隠れていたとは、不思議だ。
切り口を腐食しない紐で丁寧に縫っていく。
形を整え、骨を抜き取った隙間を適度な圧をかけてふさぐ。
※ちなみにスライス用に整形したもの(マトネラタイプ)はイタリア、スペインとも整形時にこの形からももっとたいへんな圧力をかけていく。
写真形のものを長方形にしてしまうほどだから、生ハムにもストレスがかかるといわざるをえない。この違いは残念ながら、
スライスパックを食べたときと、原木から切り出した(ボンレス原木も)スライスを食べ比べると一目瞭然だ。
※もう一言つけ加えると、マトネラのスライスと、ボンレス原木のスライスでは、まったく性格が違うということだ。
マトネラではスネに近い部分の部分(ハバキ)が「並」になってしまうが、ボンレス原木ではむしろ旨い部位になる。。。なぜか?
運動をしている部分だから味が濃いわけだ。スペインでもこの部位は一番旨い場所として紹介する人もいるぐらいだ。
真空パックをして出来上がりだ。ちなみにこの状態でも生ハムの熟成の進行は止まらない。なぜなら、
美味しさの基になる乳酸菌などの良質の微生物は嫌気性が多い。つまり肉の中で活動をしているわけだ。
生ハムを切っていくと中から白いアミノ酸の粒が出てくることがあるが、これなども空気がないところで、乳酸菌の分解がすすんでいる証拠だ。
真空を解いたときなどは、表面にカビが生えてくるが、これなども生ハムの一部と考えていい。もともと生えているもんが出てきただけだ。
邪魔ならきれいに拭くだけだ。
地下蔵は石の壁で出ているところ。1階のキュアリングルームは写真では茶色のレンガのところだ。
地下蔵には地下から湿気がでてきてそれが良質のカビとバクテリアの生育には欠かせないという。
次期商品の打ち合わせが終わり、次期商品は来年24ヶ月を弊社オリジナルで作ってもらうことで合意した。
写真は屠場から返品の豚肉を載せるトラックがやってきた。ちなみにピオトジーニ社の返品をするモモ肉が行き着く先は、違うメーカーだが、
そのメーカーのパルマハムの原料にもなっているというから、パルマハムの奥は深い。