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■メモ帳

同じラム肉とは思えない!解凍後のジンギスカン用スライスの相違の秘密とは

昨日、会社の冷蔵庫から3月30日にスライスしたラム肉2種類を出してきて驚いた! 写真左は冷凍をスライスして解凍。 写真右は一度解凍後、熟成して再冷凍のスライス。 同じ肉(ラム肉)なのにどうしてこんなに違うのか?

昨日、会社の冷蔵庫から3月30日にスライスしたラム肉2種類を出してきて驚いた!
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写真左は冷凍をスライスして解凍。 写真右は一度解凍後、熟成して再冷凍のスライス。
同じ肉(ラム肉)なのにどうしてこんなに違うのか?

状況を詳しく説明する必要がある。
昨年から弊社は頻繁に食材の試食を社内で行っているが、このラム肉は
その一環として3月30日にスライスをして食べ比べたものの2種類だ。
冷蔵庫から出したのが4月4日、もちろん同じ冷蔵庫で同じ保管をしていた。
冷蔵庫に保管されていた期間は5日間だ。

2種類のラムは同じ、チリ産のパタゴニアラム。
オーストラリア産とか、ニュージーランド産が多いラム肉の中でも
チリ産のラム肉は珍しい。
それぞれ特徴があるが、チリ産のラム肉はラム特有のフレーバーが
少なく(しいて言えば上品)、肉質のキメが細かいのが特徴。

ではどう2種類のラムが違うのか?と言うと。。。

①冷凍のラム肉をスライスして解凍したもの
  ※写真の左のスライス

②冷凍のラム肉を解凍して熟成して再冷凍してスライスしたもの
    ※写真の右のスライス

ちなみに本来ならば②の方法は冷凍の再冷凍で、肉の質をいちぢるしく
落とす結果になってしまう。
しかし写真では明らかにしっかりしているし実際にラップを開けてみると
写真右の②のほうは肉もみずみずしく、写真でもわかるとおりドリップも全くない、もちろん食べられる。においも全く普通の匂いで新鮮だ。

一方、写真左の①のほうは、肉がかなり黒ずんでいて明らかに酸化して
いるし、少しだが悪臭が鼻をつく。写真でも明らかにドリップもかなり多く
食べられる状態ではない。

※断っておかなければならない、この写真は意図的に写したものでは
なく、昨晩(5月4日)に自宅に持って帰り夕食にしようと思ったときに
自分でも驚いたことなのでエントリーしている。

ではなぜ②の肉は再凍結なのに、新鮮なのだろうか?
その秘密は解凍から再凍結までの仕事の経緯にあるので下記に
時系列順に記載してみる。

1)ラム肉を氷水の中に入れ、解凍庫の中に入れて解凍を始まる。

2)解凍が完全に完了したところで、周りの氷を取り除き、マイナスの
  温度帯で5日間ほど熟成庫で熟成をかける。

3)熟成が完了したところで、肉の細胞繊維を破壊しないことに最適な
  急速凍結をかける。
  ※この場合弊社では最高に効率の良い液体凍結を採用している。

4)再凍結(急速凍結)が完了したら、冷凍スライサーでスライスをする。

※上記1)の解凍庫、2)の熟成庫に関しては、最新式の解凍熟成庫
を使用することにより、鮮度保持を実現している。また、解凍熟成方法
でスライスしたラム肉にはかなりの違いがあったので下記に弊社の試食記録があるので記載してみます。弊社ではこの解凍熟成方法を、
氷点の
温度帯で熟成をするので、「氷点熟成
と言っています。

■■冷凍スライスと氷点熟成スライスの違いを試食。

   肉はチリ産パタゴニアラムレッグスライス、味付けは塩コショウのみ
   焼き方はガス火でテフロン加工のフライパンを使用。どちらも同じ
   条件で味付け、焼き、その後試食をした。

■伊藤
・冷凍スライス
歯ごたえがある。
上品なラムのフレーバーがあり、味もとても良い。

・氷点熟成スライス
あきらかに柔らかくなっており、きめの細かさも感じる。
ラムのクセはより少なく、味が濃くなっているように感じた。

■田村H
生肉の状態で肉質の違いが肉眼的にもわかりました。
熟成品は肉汁もあまり出ずしっとりした感じ。

・冷凍スライス
旨み:うすい 食感: 風味:少々ぱさつき 
焼きながら感じたことだが、みずっぽい感じがしました。
焼き上がりも肉の周りに肉汁の固まったものがまとわりついて
ぱさつきを感じる。繊維と水分がばらばらな感じ。
熟成品と比べず、これのみで食べれば美味しい肉なのだろうが
食感の違いがはっきりとわかった。
肉の味はよいのに加工でこんなに違うものかと思った。

・氷点熟成スライス
甘み:ある 旨み:ある 食感:ふっくら 風味:ほどよいフレーバー
ふっくらとした食感で羊の癖はあまり感じられず、肉の旨みと甘みを感じる。 塩と胡椒でも十分に美味しかった。

■松永
・冷凍スライス
熟成していない方は舌触りが少々ザラツクように感じた。冷凍肉スライスとだという事がよくわかる。

・氷点熟成スライス
熟成した商品は舌触りもソフトになっていて、ジューシーでした。ラムの香りもほんのり後からしてきて、とても美味しい良質のラム肉に感じた。

■高橋
ラム臭さが全くなくて、若干ラムが苦手な私でも美味しくいただきました。やはり熟成させた肉の方が、深みがあるまろやかな味がします。

■百目鬼
熟成した方はやわらかく、ラム臭さが全くといっていいほどありませんでした。熟成していない方はラムの臭さがありました。

■田村S
熟成したものは、しないものに比べて弾力性があり適度に柔らかくなっていると思う。
ジンギスカン用はそのままスライスしたものをタレ付けの中で熟成させるのもひとつの方法だろう。

■横田
熟成するとちょっとふんわりする気がする。ラムの香りは強くなったように感じます。

※最後に
食肉のほとんど全てのものは(冷凍、生、チルドでも)この熟成方法を
採用することによって食肉の鮮度維持が長時間保たれ、高い次元の
熟成がすすみ、旨み成分、フレーバー、柔らかさ、の全ての点で満足
いく結果となった。

■追伸:この2種類のラム肉のスライスの結果を踏まえて、次の推測をした。
 お客さんに届けられたときに、上記の2種類の肉のスライスがあったとして
 氷点熟成の効果は持続しているので、明らかに冷凍スライスとは違いがでて
 家庭用の冷蔵庫でも同等の結果が出るだろう。それを検証していく必要がある!
 第2弾のご期待を!!

 

 

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