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■生ハム! 2006/09パルマ,ギフエロ,バレンシア

パルマ産生ハムの聖地①ランギラーノの贈り物

パルマ市内から車で数十分のところのランギラーノ地区にピオトジーニ社はある。ランギラーノ地区はパルマでも特別な地域だ。

パルマ市内から車で数十分のところのランギラーノ地区にピオトジーニ社はある。ランギラーノ地区はパルマでも特別な地域だ。

ランギラーノ地区は山を車で登っていくと、パルマ川に沿って細長い盆地のように眼下に現れる。
横が400m×長さが2kmのこの地区はパルマハムを作る聖地といっても過言ではない。

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この地区の南側にはアペニー山脈があり、海からの湿った空気は山にぶつかり雨を降らせ、
パルマのランギラーノ地区には比較的乾いた風が吹くからだ。
※パルマはDO(原産地呼称)をもっている地域だが、認定の際に実はランギラーノ地域だけが真のパルマ地区、、、という意見もあったほど、
パルマとランギラーノ地区の係わり合いは深い。

ピオトジーニ社はランギラーノ地区の自然の風だけを使って生ハムを熟成させている、
パルマでは数少ないこだわりのパルマハムメーカーだ。このパルマハムメーカーの大きな特徴は、キュアリング(乾燥熟成)
の他に地下蔵によるエージングをしている点だ。地下蔵は、湿度を変えて、乳酸菌などの良質なバクテリアを活性化して更なる熟成をしている。

今回はこの地下蔵でどんな生ハムを今後作っていってもらうのか?次期商品打ち合わせもかねた訪問となった。
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※ピオトジーニ社の熟成庫。ここの地下蔵【カンティーナ)はパルマ地区でも有名で、
しばし地域を代表するパンフレット類などにその壮観な写真を紹介されることが多々ある。

パルマハムの聖地、ランギラーノ地区の風は南北に吹くのでこのように東西に細長く風を受けるような建て方になっている。

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※ピオトジーニ社の熟成庫。1階がキュアリング室で、 地下がエージング室になっている。
東西に長い熟成室はパルマのランギラーノ地区の特別な風を一身に受けられるように作られている。窓の開閉で温度調節と空気の入れ替えを行う。
夏は朝に窓を開けて冬は昼に窓をあけて自然の風をとりこみ熟成を行う。

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※温度、湿度、気圧を測りながら窓の開封の調節をしていく。1年を通して熟成室の室温が18℃湿度60%~70%ぐらいだという。

※この自然風なくしては香り高いパルマハムが出来上がるはずもなく、「自然の風を使って熟成をしている」ことが我々がこだわる第一条件だ。

※次の第二の条件としては豚の選別における差別化だ。ピオトジーニ社は、屠場に専門の豚肉選別社員を派遣し、
パルマ産豚肉のなかでも一級品の豚の後ろ足を選別している。また気に入らなければ、
そのなかでも返品するという徹底振りで原料肉の選別を行っている。

※第三のこだわりとしては、キュアリングの後、エージングを行っているという点だ.スペインのハモンセラーノ製造業者いわく、
パルマハムの製造過程は乾燥のみだという。その点ハモンセラーノは、ちゃんと熟成(エージング)をしているという。

まあ、これはいきすぎた表現といわざるをえないがパルマハムの大部分がそういわれるような熟成に対して、
ピオトジーニ社のパルマハムはキュアリング&エージングを行っている。しかもエージングは、
地下蔵で良質な乳酸菌などの微生物を活性化させる重要な工程だ。

 

 

 

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