カテゴリー
■トレベレス・生ハム 2008/07トレベレス,ブルゴス

品質の高いハモン・デ・トレベレスを製造するフビレス社の秘密ーシェラネバダの澄んだ風で芳香な生ハムができあがる

IMG_8644
フビレス社があるフビレスはトレベレスとは9kmぐらい離れているが、トレベレスよりも乾いた風が吹くという。トレベレスにあるような川がある谷間はなく、南側の山の斜面に村が位置するために1日の日照時間が長いためこのへん一帯は生ハムづくりに最適な乾いた風が吹く。ちなみに標高は1250m。

実際に僕もこのフビレス村を訪れて、日中の日差しの強さとは裏腹に夜になると冷たく乾いた心地よい風が吹くことに驚いた。実際、これを書いているコルドバなどは夜の9時30分頃でも37℃もあり結構湿った「熱風」が吹いているが、このフビレスは全く違っていた。この風は日本ではもちろん経験したことのない風でスペインでも初めての風だ。

このフビレス社では塩漬けから熟成までを自然の恵まれた「シェラネバダの風」をふんだんに取り込む設備が備わっている。

IMG_8423
冷蔵庫内にある塩漬けが完了間もないハモン。天然塩でじっくりと塩漬けされた豚モモは、洗浄後に冷蔵庫内で4℃~5℃の温度帯で寝かせられる。青いパイプのようなものが見えるがこれは外からシェラネバダの自然の空気を取り込んで冷蔵庫内に流している。これだけの大自然に恵まれた環境だからこそ、自然の空気を大切にした設備がある。又ハモンを美味しく熟成させるためには設備費用を惜しまない最高の設備環境で生ハムを作りたいというフビレス社の意志が感じられる。

IMG_8434 
右下の黒い四角い窓が外から自然の空気を取り込むフィルター。左中程の長方形の窓が冷蔵庫内の空気をはき出す排出口。こうやってシェラネバダの風を庫内に24時間365日循環させることで香り高いハモンにじっくと仕上がっていく。

IMG_8418
塩漬けが完了し、徹底的に血抜きをされた豚の後ろ足が天然の風を取り込んだ冷蔵庫の中でじっくりと塩の浸透が始まっていく

IMG_8430
塩漬け完了後数ヶ月経過した豚モモ。脂は白く、霜降りの良質な肉で皮付きの状態であることがわかる。皮付きだからこそ元々もっている脂の厚さはごまかしようがない。良い豚の場合はしっかりと分厚い脂がのっている。

IMG_8433
塩漬け完了後6ヶ月ほど経過したハモン。塩分も徐々に浸透をしていき熟成が活性化してくる。この後は時期により冷蔵庫の外の熟成庫に出されて、シェラネバダの風を直接受けてじっくりと旨み成分を蓄えていくことになる。

IMG_8440 
自然の空気を取り込むフィルターの下からみた風景。生ハムを作るのに最高の風がここにはある。

IMG_8444 
夏場の日中は南の斜面の為に温度があがり日が下がると冷たく乾いた風が吹く。1日でも寒暖の差が大きく生ハム作りには理想的な環境。

※シェラネバダの澄んだ風で芳香な生ハムができあがる、のまとめ

・ハモンデトレベレス製造のフビレスは南側の斜面の為にトレベレスよりも乾いた風が吹き、生ハム作りに適している。

・塩漬けが終わった生ハムは冷蔵庫で乾燥されるが、その空気は外から引き込んだシェラネバダの自然の空気を引き込むことによって乾燥熟成される。

・フビレス社には生ハム作りに理想的な環境と空気と風が備わっている

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です