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■トレベレス・生ハム 2008/07トレベレス,ブルゴス

品質の高いハモン・デ・トレベレスを製造するフビレス社の秘密ー原料豚は数千頭に一頭の割合で質の高い豚を選別する

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熟成庫の大理石の床にオリーブオイルのような少し黄色みがかった脂がたれている。イベリコ豚の生ハムにはよくあることだが、白豚のハモンセラーノでは、「ごく、まれ」のこと。脂が常温で溶けるということは脂の質が非常にいい豚を使っているということになる。ちなみに庫内は夏場でも24℃以上になることはない。 ということはこの脂は24℃以下でも溶けるということになる。。。

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熟成庫内の床は毎日きれいに流しているので、写真の脂は昨日からのもの。ハモンの美味しさの一つに良質な脂と肉質をもった豚を使うことが必須だが、その意味でも24℃以下でも溶ける脂はフビレス社の生ハムが良質である一つの証明であり、できあがったハムを口に含んだときの食感のすばらしさは容易に想像ができるものだ。

豚の仕入れを聞いて非常に納得した。豚はムルシアのとある飼育業者兼生産メーカーから取っているが、1日の屠殺頭数はヨーロッパでも有数の生産量を誇っているという。その中から数千頭に1頭の割合でフビレス社用に選別された良質な豚の後ろ足を使っている。この業者とは30年来の付き合い。選別された豚肉は雌豚が多く、雄豚でも生後1ヶ月以内に去勢したものしか使わない。それ以上経って去勢されたものは、クセがありフビレスでは使えないと言っていた。

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写真は日本向け20ヶ月熟成の赤ラベルを前に。翌日に23ヶ月熟成のトレベレスと一緒にテイスティングをしたら、20ヶ月もすこぶる良好だった。日本への出荷をまちながら夏場に汗をかき(脂をたらすこと)シェラネバダの風で乾燥熟成されてカビが付くことによって芳香高い生ハムに仕上がっていた。

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マサ側(平側)の切り始め。この脂があってこの良質な肉質がある。他の生ハムとは決定的に豚の質の点で違う。

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切りすすんでいくと生ハムで一番美しい断面が現れる。濃い赤は内モモで、薄い霜降りは外もも。この部位のカットは一度に双方の味を楽しめるからこその楽しみな部位。

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これが切り立てのハム。テカっているのは常温で脂が溶けているから。フビレスの生ハムは脂の多い所はあえて除かないで一緒に食べる!とてもジューシーでたまらない。
でもそれが出来ない場合はベーコンのように火を軽く入れて食べる方法もあると言う。肉質が良いからこそできる食べ方だ。

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フビレス社の専務、ぺぺ氏と23ヶ月熟成のブラックラベルを前に。ハモンデトレベレスの伝統的製法を守り、トレベレスの風土とハムを愛するぺぺ氏は、トレベレス生ハムの職人としてこの地にこだわり、トレベレス協会を愛し、そしてハモンセラーノを愛する姿が印象的だった。毎日でも食べられる(食べる気になる)ハモンセラーノをトレベレスに求めた、一つの回答がこの生ハムの味わいにあるような気がする。

※原材料は数千等に一頭の割合で質の高い豚を選別する、のまとめ

・豚はヨーロッパでも有数の規模を誇る飼育生産者から数千頭に一頭の割合で選別をされた豚肉の後ろ足をハモンに使っている。

・その後ろ足は霜降りに富んでいて熟成の途中でも常温で溶け出る上質の脂を持ち合わせている上質の豚を生ハムに使っている。

・その切り出された生ハムはジューシーでさえあり、脂と一緒に食するのをおすすめするが、良質のベーコンのような使い方も出来る。

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