4月20日から、常温で1週間置いておいたハモンセラーノ原木。
いよいよカッティングの開始だ。
常温で1週間置かれた生ハムはさすがに脂がやわらかい。
しかしながら外見はびくともしない。(当然か、、、)
足首のところに切り込みを入れていく。
この後足のハモネロの上になっている面は、「しんたま」の部分で比較的肉が少なく、
下になっている面は「外モモ・ランプ」の部分で肉が多い方だ。
また外モモ・ランプの部分は、香りが高くクセがすくなく、
しんたまの部分は肉の味が濃いのが特徴だ。
切込みを入れたところから皮を取り除いていく。薄く引いていくが
ナイフの使い方としては、「ギコギコ」やらずに、軽く引くだけの方が
きれいにそぐことができる。
皮を取り除く際に黄色い脂は酸化しているので、取り除く必要がある。
白い脂はラルドとして、旨い。もちろん生で食べられる。
最初にカットする分量にもよるが、あくまでカットする分だけの
皮を取り除くのが基本だ。
表の肉が乾いた面も丁寧に取り除いていく。
少しずつ試食をしながら、生ハムをカットしていく。
本来はカットする分までの皮と乾いている面を先にカットしたほうが
作業上もいいと思う。
次に切った生ハムの面にかぶせるラルドを作る。
このように数枚のトシーナ(ラルド)を作ることで、切った面にはりつけ乾燥を防ぐことができる。
ラルドは写真には隠れているが裏の皮だけの面でカットして取る事ができる。
カッティングしたハモンセラーノ(生ハム)。
白い粗塩みたいなものは、アミノ酸の結晶で、旨み成分の素。
これがたくさんある生ハムは長期熟成をした生ハムで旨い。
ちなみにこの生ハムは14ヶ月だ。これから6ヶ月かけてカッティング
していくうちに、生ハムもこなれて熟成もすすみ結晶も多くなってくることだろう。
これが原木を寝かせながらカッティングをしてみないとわからない
醍醐味のうちの一つだ。
スライスした、ハモンセラーノ(生ハム)色がいい。今日はここまで。
先ほど取り置きしておいたラルドを生ハムを切った面に丁寧にかぶせる。
ビニールをかぶせて、本日は終了。
もちろん常温のまま保存をする。
次回は5月の20日前後の予定。
ちょっと間がとび過ぎるが、5月1日からイタリア、ミラノ→パルマ
フランス、ディジョン→コンテ地方→リヨン→パリの出張。
帰国をしてどの程度味がこなれているか?興味あるところだ。
参考写真(切った皮)
参考写真(湿度温度計)
ちなみに2006年4月27日現在
室温18℃ 湿度65パーセント