カテゴリー
■生ハム! 2006/06マドリッド、ギフエロ

イベリコ生ハムの聖地、ギフエロ(Guijuelo)の製造過程①

スペインのサラマンカ地方にある、ギフエロはわずか人口5,000人だ。
しかしながらイベリコの生ハム業者が百数十社ある。
また関係企業の事務所なども街中にある。


標高は約1100メートルあり、比較的乾燥していて、夏の日中は暑く、
夜は冷え込み、冬は寒い。昔はマイナス15℃の冬もあったという。
この独特の気候風土が生ハムに適しているし、暑い夏も旨い生ハムには
必要だと、リサルドカストロ氏は言っている。
R0013319.jpg

IMG_5674-1.jpg
こちらはギフエロのリサルド・カストロ社のイベリコ生ハム熟成庫。
ラベルも貼られていて出荷を待っている。
ギフエロのハモンイベリコの特徴としては生ハムが大きいことが上げられる。
独自の気候が長期熟成に適しているために、イベリコ豚の大きい後ろ足を
じっくりと熟成することができるからだ。
小さいものでは早く熟成が出来上がってしまう。
大きい後ろ足でじっくり熟成していく途中で、ゆ~っくりと塩が入っていくから
独特の甘みが出てくるのだ。
生ハムの品質の場合によっては40ヶ月以上もの歳月を、熟成することができる。

ハモンイベリコ・ベジョータの製造工程を簡単に。
IMG_5589.jpg
厳選された大きな後ろ足が旨い生ハムには必須。
枝肉から解体され冷蔵庫に保管される

IMG_5642-2.jpg
塩漬けされる。リサルドカストロ社の場合、塩は天然塩の粗塩。
甘みがある湖塩は、トレビエハ(トレビエッハ)の塩だ。スペイン国内でも
ヨーロッパでも名が知られている有名な塩。
塩漬けも冷蔵庫できっちり行われる。約13kgの後ろ足で10日間行われる。

IMG_5639-1.jpg
塩漬けの機械。スペインではイタリアのようにこすり付けはしない。
ここでも人の手を介さないで機械化を計っている。

IMG_5638-4.jpg
冷蔵庫で塩漬けされるイベリコ豚の後ろ足。
3℃~4℃で湿度80パーセントから90パーセントに保たれる。

IMG_5620-5.jpg
約10日間経ったところで、この機械で塩を洗浄する。
これから乾燥と熟成に入る。
※ここでも人の手を介さない。
人の手でさわらないということは重要だ。
余計な菌をつけないことだから。
ある意味、生ハム作りは細菌学だ。

IMG_5645-6.jpg
乾燥は90日間行われる。
温度は4℃~6℃で湿度80パーセント。
約60日間で良質のカビが生えてくる。

IMG_5649-7.jpg
約1ヶ月間が経過。乾燥が進んでいる。

IMG_5643-8.jpg
約2ヶ月間で、うっすらと良質のカビが生えてくる。
この会社ではこの工程をじっくりと温度管理をすることで
甘塩をゆっくりとイベリコの肉に浸透していく。

※塩漬けから乾燥まで約100日間を温度と湿度を徹底的に
管理することによって、品質の安定した生ハムが作れるばかり
ではなく、じっくりと塩が入っていき、独特の風味と甘みをもった
イベリコ生ハムの下地ができあがる。
いい素材と技術に裏づけられた丁寧な仕事が、ギフエロの
独特の気候風土と合わさって、絶妙な旨さをかもし出す。
まさにここは「イベリコ生ハムの聖地だ」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です