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■トレベレス・生ハム 2008/07トレベレス,ブルゴス

フビレス社でハモンデトレベレスの23ヶ月以上熟成を試食

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ブラックラベル(23ヶ月以上熟成)のハモンデトレベレス、フビレス社製。しっかりとしたボディのある生ハムで口に含むと心地よい芳香とジューシーささえ感じた。

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重量はしっかりと11KG!はある。生ハムの裏側が皮で覆われているために脂の質感が非常にいい。 上質なバターのような風味が脂にはある。実際にはこのハモンは28ヶ月熟成をしているという。 普通のものよりも良すぎるといいながらもフビレス社のぺぺ氏はカットを始まった。

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美しいトレベレスの生ハム。オーナーのぺぺ氏は、これはブラックラベルでも良い方なので全部が全部こういう出来とは限りませんとのこと。しかしながらフビレス社の品質の高い生ハムは豚肉の選別からも伺える。豚の選別も厳しく数千頭から1頭!の割合で良質な豚の選別をしているという。豚は基本的には雌豚のみ、雄豚でも生後1ヶ月以内での去勢をされたものだけを仕入れる、豚の種類はディロック種との掛け合わせの肉質の良いもの。肉の生産者は飼育から屠殺まで一貫してやっていて、もう30年来の付き合いだそうだ。

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この切り口と質感がたまらない。この部位は3回美味しさを楽しめるところ。下の色が濃いところは内モモの部分で味と塩分が濃い比較的乾いた所。上の霜降りの色の薄いところは外もものところで塩分が薄味でしっとりとした食感、そして一番上の脂のところは、バターの、又はそれを通り越すようなクセのないしっとりとした食感と、3つの味わいだ。この部位(マサ側)をカットするときは是非、脂を付けていただきたい。お客さんには、あらかじめ断っておいて、脂が余計に付いています。。。と付け加えるのはどうだろう。イタリアではラルドという豚の背脂の部分を塩漬けして生で食べる習慣があるが、こちらの方が、もっと熟成していて脂がこなれているので植物性油(不飽和脂肪酸)の割合も高いはずだ。肝心の味わいは、イタリアのラルドが数ヶ月の熟成に対してこちらは24ヶ月の熟成、まずいわけがないし、捨てるのは非常にもったいない。
そしてぺぺ氏が言っていたことが興味深かった。うちのセラーノの脂の多い所はぺーコンのように軽く火をいれても美味しいよ。。。なるほど、これは美味しそうだ。かる~くフライパンで表面の色が変わるぐらいに火をいれてバケットに乗せただけで美味しさが想像できると思った。

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こちらはレッドラベル(20ヶ月熟成)。現在きっちりと20ヶ月熟成していて、念のために日本にいれるものをテイスティングしてみた。まだカビ付けの段階で香りと味を出している段階だという。現在の夏場でしっかりと汗をかき、夜にはシェラネバダの風を受けて、ハモンが香り高くなっていくそうだ。

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こちらはバビージャ側(シンタマ側で蹄の甲側の赤身の部分)をカットしてテイスティングする。皮に守られた脂が美しい。

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マサ側(蹄の平側の内モモと外モモ側)の生ハムの部分は美味しくても当然だが、本当はバビージャ側がどんなあんばいか?が重要。霜が降っていない赤身の部位の全体的味わいがわかるからだ。

試食をしたところ、赤身だが乾いてなくなめらかでしっとりとした食感と、赤身の味の濃さを楽しめた。脂をあまりカットせずに赤身とのマッチングを楽しむのもいい。 先にも書いたことだけれども、フビレスのハモンは脂の多めの部分はベーコンのように軽くフライパンなどで炙っても楽しめるそうだ。

ちなみに一番上の写真の生ハムの切り口は2段に分かれているが、色の濃い方が内モモの部分で薄い方が外ももの部分。内モモは塩が早く入っていって塩分の濃い味がするが、外ももは薄塩。味の違いを味わうのもいい。

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オーナーのぺぺ氏と僕。写真のハモンセラーノは23ヶ月のハモンデテルエル、ブラックラベル。この部屋は会社の入り口にあり、小売り対応もできるようになっている。日本には20ヶ月のレッドラベルと、23ヶ月のブラックラベルを発注した。

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