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■生ハム!

パレタイベリコ(イベリコ豚の前足の生ハム)の旨いカッティング(後編)

前回カットしたときから約10日間が経った、パレタイベリコだがカッティングも終盤に差し掛かってきた。

前回カットしたときから約10日間が経った、パレタイベリコだがカッティングも終盤に差し掛かってきた。

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※パレタイベリコ生ハムを後ろ側から見たところ。

上下よりカッティングをしてくるところは、後ろ足(ハモンイベリコ)と同じ。
最後に肩甲骨(向かって左側の皮があるところ)の後ろ側の生ハムが残る。
前面の骨側から見るとあとほんのわずかの生ハムが残っているだけだ。

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※パレタイベリコの前面から見たところ。写真が肩甲骨だ。業界では
「羽子板」と呼ぶ。大きい骨だが、薄いのでそんなに容積はない。

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骨の上側の生ハムをそぐようにしてカッティングしていく。ちなみにナイフは
ウィンガー社のスライサー、安価な上、永い切れ味がある。

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写真のようにこの部位は背脂とのバランスが良くて、味もある部位。
部位は肩三角と呼ばれる部位だ。ナイフの手前側(元側)は骨なので
ナイフを斜めに傾けながらカッティングしていく。

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カッティングした断面。骨の周りの肉が旨いとはよく言ったものだ。
この面の生ハム(イベリコ生ハム)は丁度、脂と骨の間で守られている
ところなので乾燥しすぎず脂と肉のバランスもよく、旨い。

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肩甲骨の後ろの脂のところ。表面の黄色く色が変わっているところを
薄くそいでいく。(この部分は酸化しているので捨てる)

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取り除いたところ。肩甲骨の下側。肩の付け根の部分だ。

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骨のくぼみにも肉が付いているので、カットしていく。ナイフは縦に使ったり
横に使ったりカットしやすい方法でカットしていく。
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写真はスジ。大きいのですぐわかる。硬いので取り除く。
肉の部位はミスジという部位だ。

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スジをとったらその下の生ハムをカットしていく。写真ではわかりにくいが
この部位の生ハムは肉の中に脂が入り込みやすく、旨い部位だ。

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骨のくぼみにもナイフを縦にして入れていく。
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ほぼ、カット終了したところ。後は小さいナイフで骨からそぎ落とすように
生ハムをカットしていくときれいに取れる。
写真は肩甲骨の裏側だが、骨についている生ハムが旨い。

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パレタイベリコを後ろ側(皮側)から見たところ。骨のくぼみにもきれいに
ナイフを入れてカットされているのがわかる。
写真の左下が肩甲骨でその上(中間の骨)が肩げん骨だ。
肩甲骨と肩げん骨との間の生ハムもしっとりとしていて旨い。
適度に運動をしているので味もある。

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表から見たところ。
パレタイベリコのカッティングも終了だ。骨足首などは、スープにとると
旨い出汁がでる。煮方は一度煮こぼして、徹底的に脂を取り除くことだ。
時間にして6時間ぐらいコトコトとすると出汁が出てくる。
肩げん骨は、バールか、鉈(なた)の峯などでスナップを利かせて軽く
振り下ろすことで簡単に割ることが出来るので、一度煮こぼした後に
冷めて落ち着いたら上記のように割って煮込むことをおすすめする。

スペインのギフエロなどでは、この骨を使ったスープを出すところがあるが
クセも無く上品な味わいだ。

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※スペインの生ハムの聖地ともいうべきギフエロのバールででた
イベリコ生ハムの骨で取ったスープ。黄金色した澄んだスープで旨い。

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ちなみにカッティングで使用したパレタイベリコは
フランス料理の三ツ星シェフ、ポールボキューズもレストランで使用している
ブランド(リサルドカストロ)だ。

「パレタイベリコ(イベリコ豚の前足の生ハム)の旨いカッティング(後編)」への1件の返信

す、素晴らしいです!!
ムッシュ田村!
ただ、ただ、感動です。。
はっきり言って、私ハモン、ちゃんと全部
切ったことありません。。
部位によって美味しいところがあるん
ですねぇ。全然知らなかったです。
食べて、あ、これは~の部位だっておわかり
になるのなら、ムッシュ田村はハモンソムリエ
ですね!!
すごすぎるーーーー!!
お元気ですか?

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