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■生ハム!

生ハムの一番旨い食べ方・ミニ原木の切りたてを食べる・ミニ原木への絶え間ない交渉

※写真はピオトジーニ社のパルマ産プロシュート(生ハム) 24ヶ月カンティーナ熟成ゴールドラベル。 1ヶ月前ほどやっと入荷した! ここまでの道のりには、絶え間ない交渉と試行があった。

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※写真はピオトジーニ社のパルマ産プロシュート(生ハム)
24ヶ月カンティーナ熟成ゴールドラベル。
1ヶ月前ほどやっと入荷した!

ここまでの道のりには、絶え間ない交渉と試行があった。

先ず19ヶ月熟成のプロシュートは原料豚と熟成のバランスがとれていて
完成された生ハム。この生ハムをいきなり24ヶ月の熟成にすることはできない。
通常の熟成庫で12ヶ月熟成されたプロシュートは7ヶ月間彼ら自慢の地下蔵で
熟成されることで完成されるのだから、いきなり5ヶ月延長しての熟成は
メーカーとして冒険過ぎて、責任が持てないとのこと。

第一、豚の仕入れからして予定をたてプログラムをしていかなければならない。
24ヶ月熟成のためには、それに耐ええる品質の高い豚肉だけを仕入れなけれ
ばならないからだ。
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※パルマ市の展示会でピオトジーニ社の専務との1コマ。

彼らの仕事を理解したうえで、更なる熟成期間延長を検討しなければ、事は
すすまない。
結局、22ヶ月の熟成で第一段階は、やってみることになった。
次にパッケージだが、彼らは骨付きの原木か、ボンレスの1本の原木しか
やっていない。旨い生ハムこそ、現地でも日本でもスライスしたくない。
食べる現場で、お客さん自身が生ハムをカッティングしてくれるのが一番だ!
それには、日本の個人客にはパルマハム1本を購入することは、先ずない!
だとすれば、現地で原木をカットしてもらうことしかない。

ご存知だろうか?パルマハム協会は、パルマ現地で原木をカットしてパルマ
の刻印がなければパルマハムとは呼べない!この為ピオトジーニ社では
カットした原木全部に、パルマの刻印を押してある。
しかしながら22ヶ月熟成の時にはスネ側の2つのパルマに関しては刻印を
押しづらい問題があり、3分割での輸入となった。

22ヶ月熟成生ハムは昨年の10月に入荷、その出来栄えに驚いた。
19ヶ月から3ヶ月を地下蔵での熟成の成果が出たのと、日本人の嗜好に
合った「まったりとしたコク」がでてきたのだ。

そしてじっくりと検討した結果、更に2ヶ月の熟成で、24ヶ月の熟成の
パルマハムの仕込をオーダーした。

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※ピオトジーニ社の地下蔵(カンティーナ)1F熟成庫に比べて、温度が
年中一定で湿度が高く良質な乳酸菌などのバクテリアが繁殖している。
この地下蔵こそ、生ハムのシャルドネにも似た芳香と旨みをかもし出して
くれる。※生ハムの表面が濃い色なのは熟成をすすめ味わいをよくする
良質なカビが発生しているためだ。

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※カビがびっしりと生えている。ちなみにこの列は24ヶ月熟成される予定
の後足。24ヶ月用の腿肉はしっかりした肉質で脂がのっていることが
写真でもわかる。

24ヶ月熟成のパルマハムを作るには、豚の選別からして既存のものと
別けなければならないという。22ヶ月の時には19ヶ月とほぼ同じ、しっかり
した豚肉だったが、たった2ヶ月の熟成延長だけで、豚肉をがらりと変える
必要があるらしい。
ただでさえしっかりしたパルマ産豚肉の上等なものを選別しているのに
さらに脂が乗った更にしっかりした豚肉を弊社の為に用意して仕込む
ことが決まった!

当然のことだが、24ヶ月熟成のパルマハムを作るには丸々2年の歳月
と、豚の飼育期間が1年弱かかり、おおよそ3年間が旨いパルマの為に
費やされる。

しかしながら現在は、弊社へ供給するの24ヶ月熟成の本数に限りがあり
生産は徐々に増やさなければならないことから1年に約3回ほどの入荷
になり、数ヶ月先までの製造を予約している。※ちなみに現在は11月の
年末に入荷する24ヶ月熟成のパルマを今年の頭に予約した次第。

そしてやっと冒頭にもある24ヶ月カンティーナ熟成ゴールドラベルが
入荷した!22ヶ月の時にはできなかった4分割ができるようになり
1本ずつパルマの刻印が押されている。

※次回の
 生ハムの一番旨い食べ方・ミニ原木の切りたてを食べる・自分でするカットの仕方1
 に続く

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