ハモンイベリコのマサ。ハモンイベリコでも最上の部位。切り出された断面が美しい。
この断面を見れば見るほど、最高級のハモンイベリコは飼育から熟成まで手間暇かけて作られる芸術品だということが納得される。飼育からは実に60か月近くかかってようやく出来上がる。
ハモンイベリコのマサの部分をカットする。
先ずひとつカットされる。
2つ目のマサをカットするところ。慎重に位置を定める。
2つ目のマサがカットされた。手に持っているのはピエルナ。ピエルナはこのように
最上の部位のマサから続いている部位なので味わいを引き継いでいる、ある意味
貴重であり廉価な部位。
切り出されたハモンイベリコのミニ原木類。
ピエルナの部位を試食。バターのような脂としっとりとした生ハムをカットする。
マサの部分も試食。このカット方法はカサルバ独自のもので、生ハムの味の
違い別にカットをしていく方法を採用している。
次々に各部位を試食していく。各部位は5分割だが、味わいは5種類!だが、
ちょっと複雑。
それは、マサの2つはほとんど極上の部位なので同じような味わいだが、
コントラマサ(ランプ)の部分が2つの味わいがある。文字通りランプの味と
マサの味だ。コントラマサはカサルバカットでは一番大きな部位だが、2つの
味わいがあって、その分お得かも知れない。
しかしながらこんなことは、骨付き原木ではカットの仕方自体がほとんど
肉の繊維に沿った縦切りであり、部位的に明確に分けない為に、味の違いを
感じても切り分けることは難しいだろう。
5分割のミニ原木にすることによって5つの味を、楽しめるとしたら、生ハム
本来の評価と提供の仕方が変わってくるかも知れない。
日本に入ってきてまだまだ時間的に浅い骨付きの生ハムは、部位の特徴と
いうか、味わいにはまだまだ触れられてないが、生ハムの本場スペインでは
その味の違いをあまり表に出さないが、個々で感じて評価している感じが
しないでもない。
事実、骨付きの原木をカットしているときに、マサの部分ではなく反対側の
バビージャ側(蹄の甲側)をカットしていると、他の店に行く人もいるそうだ。
ただ、スペインのバルでは甲側を梅、平側を松、とか評価しているお店はない。
(今まで数十件行ってきたがなかった)
日本でこれをやったら、受けるかも知れない。
というのは、日本人は松竹梅というか、トロ、中トロ、赤身などと肉に脂の
入り具合で肉の質のランクをきめるようなルールがあるから。
書いているうちに、取りとめのない話になってきてしまったが、
イベリコ豚のプルマなどは、味の濃い自分では好みの部位だ。肉に関しては
特にイベリコ豚に関しては味の違いで部位を分けることに関しては、さすがに
日本人以上なのは言うまでもない。日本の豚の部位よりもかなり詳細に分ける。
先ほどのプルマなどはリブロースから肩ロースのかぶりの部分で日本とか
アメリカでさえロースから切り分けない。リブロースステーキなどはこの部位が
美味いからだ。
プレッサなども肩ロースのまくらの部分だが、これも和牛なら分ける場合があるが
日本の豚はこれほど細かくは分けないところだ。プレッサなども肩ロースの部位だが
明らかに他の肩ロースの部分とは味わいが違う。イベリコ豚のミルクフェッドのような
味わいだ。
スペイン人コチニージョなどの乳飲み系の香りの肉が好きだ。
ワインなどは強い味わいなのに、肉に関しては繊細な味わいの部位とか肉のきめ
の細かいところなどを上質な肉に評価をしているようだ。
是非とも日本人の繊細な舌で、ハモンイベリコのスライスだけで5種類のメニューを
作ってほしいと切に思っている。ハモンイベリコの将来を思ってみても日本にはこの手
の差別化したメニューが必要だと思う。