ARACENAアラセナは、アンダルシア地方のウエルバ県にある。
アラセナのホテルのフロントで待ち合わせをして、夜、隣村のレストランに行った。
このレストランは地元では結構知られているらしいが、その特異な地形、場所に立ち
まるで中世にタイムスリップしたような体験を味わった。
そして驚くことにイベリコ豚のフルコースを堪能できた。
この一帯はハブーコ村をはじめとして、イベリコ豚の生産の盛んなところだ。
今回僕たちを案内してくれたイベリコ豚の生産者は、東京の山手線内ぐらいの広さの
デエサを管理しているという。
デエサとは樫の木の森林のことだ。
アラセラ村の隣の村、6kmぐらいの山道をくねくねいくとこの古い村があった。
レストランの入り口、なんとも味がある。
ちなみに食事の前に村を探索してみることにする。
驚くほど古い町並みだ。
これでも、ほとんどの家が生活をしているらしい。
家紋とも言うべきもので、一軒一軒によって模様が違う。
なんともきれいで、表札代わりにもなるのではないだろうか。
村の道路?は石がちりばめられていて、そこにコケのような草が生えている。
結構な風情がある。あまり雨が降らないのか、長い草はない。
中世の村にタイムスリップしたようだ。
スペインは地方によって、衣食住が全く違うと痛感した。
歩いたのが夜のせいか、なんともいい雰囲気だった。
店内に入る。
さっそく、お店の店主とメニューの打ち合わせをしてくれている。
白髪の紳士が、今回のイベリコ豚の生産者だ。
店内もシンプルだが、なんともいえない品がある。
そとのエントランスもすばらしかった。そして厨房を覗いたが、きちんと整理されていて
最新の厨房器具があり、あらためてこの村とのアンバランス感覚が驚きだった。
外見は中世、厨房は近代だ。
こうでなくては旨い料理も出せまい。期待に胸が膨らむ。
料理がでてきた。
前菜に、イベリコ豚のパンチェッタとトマトのバケット
ハモンイベリコの生ハムだ。
もちろん美味しい。ただこれは生産している生ハムのうち2番目のグレードだという。
レストランの原価の関係上、やむをえないと思うが、それでもNO2のグレードを使うとは驚く。
卵と茸の炒め物
茸のオリーブオイル和え。この辺はたくさんの茸が取れるらしい。
いろいろな季節野菜のダイスカットの煮物、オリーブオイル和え
なんと、イベリコ豚の胸腺肉だ。もったりとしていて微妙な味わいだ。
イベリコ豚のチークミートのワイン煮。
コクのある肉質が、ワインのソースによっていっそう引き立った。
イベリコ豚のショルダーのステーキ。とtってもジューシーな味わいだ。
ミディアムレアの焼き加減がとてもよく、素材の持ち味を引き出していると思う。
デザートにイチゴと、洋ナシのシャーペット
イチゴも縦切りにすると、妙に西洋のフルーツという感じがするから興味深い。
こちらもデザート、何というのか忘れたが、旨かった。
すっかりご馳走になってしまった。
とても素敵な、イベリコ豚のフルコースだった。
お店を後にする。
時間は午前0時を少し回っていた。まだスペインでは宵の口らしい。
しかしながら闇の深い山道を帰路に着く。
それにしてもスペインの食は奥が深いと思った。