サンセバスティアンの小高い丘の上にスビハナ氏のレストランはある。
天気もいいので180度のパノラマレストランからの展望も良いに違いない。
食材を選ぶ基準がかなり厳しいというスビハナ氏のどんな話が聞けるのか?楽しみだ。
席につくと眼下にカンタブリア海が広がっている。街は全然見えなくてどこにいるのかわからないけど絶景。
洒落たアミューズで迎えてくれた。この中にカサルバのパンセタ・ベジョータで作ったものがあるという。
写真中央の丸いものがそれ。手前の少しぼけているチョコレート色はモルシージャを使ったアミューズ。
魚の煮こごりに、カサルバのパンセタベジョータから抽出した脂を合わせて、焼いたものらしい。ちょっと複雑だが食材の合わせ方が斬新だと思う。
猪肉の煮込み寄せパンセタ包みと鶉卵のポーチドエッグ
煮込んで味を出した猪をカサルバのパンセタベジョータで包んだもの。
猪肉を煮込んでテリーヌにしたものをパンセタベジョータでくるんであるようだ。
中は肉の味がしっかりしたイベリコ豚よりも強い味わいの肉がまろやかなパンセタの舌触りで味わえた。
イベリコ豚ベジョータのプレッサの包み焼き。
銅の粉を使った(もちろん食用の)衣で包んで焼いてある。
カットしてみた。見事にミディアムレアに焼き上げられたカサルバのプレッサ。
口にいれたとたんにジューシーな肉汁が広がる。プレッサ特有の癖が全くない!
ペドロスビハナ氏(左)とカサルバのフリオ氏。
彼らの話と合わせて、さまざまな話を聞くことができた。
ペドロスビハナシは、カサルバだけ特別じゃない、と最初に口火を切りながら話をしてくれた。
ほとんどのイベリコ豚肉はカサルバのものを使っている。(パンセタ、プレッサ、マニータ(あし)など)
ハモンイベリコベジョータは世界一素晴らしい最高の美食だ。(こちらはカサルバとホセリート社と交互に使っているとのこと)
カサルバのパンセタページョータの脂はオリーブオイルのようだ。
日本料理については、乾いたものを上手く使って作る出汁が素晴らしい!切り方とか火の通し方などの技法も素晴らしいと思う。
スペインの生ハムについては、トレベレス、ギフエロの生ハムも使っているが、フランス、イタリアの生ハムとは全く異質のものであり別物だ。
仕入れについては7名でチームを組んで、レストランで使用する食材の細かい項目について点数をつける。その点数が高得点にならないと使わない。使いたい食材は高得点になるまで探し続ける!とのこと。ここのレストランで使っている食材はその審査をクリアしたものであり特別にチョイスしているすぐれた食材だと言っていた。カサルバとは4,5年前から付き合っているとのこと。
食材、食品のDOについての必要性を尋ねたところ、鼻で笑われてしまった。
カカオ豆はバスクにはないけど、ここでは最良のチョコレートを作ることができる。。。
最良のものはDOの枠にとらわれることなく、我々が決めていくものだというようなニュアンスが感じられた。
彼の食材を選ぶ目はかなり厳しく自信に裏付けされたものだった。
ペドロスビハナ氏(左)とカサルバのフリオ氏。筆者は撮影中。
数年後には様々な施設を併設するといっていた。スパ、ホテルなど少数がくつろげる最良の場所を提供していくらしい。